今回はリステリンのレビューですが、歯科医や歯科衛生士から教えてもらった情報を交えて、オーラルケア方法を書いていきます!
自宅で出来るオーラルケアの基本は、プラークの除去です。
プラークがレベルアップするとバイオフィルムになります。
そのまま放っておくと最悪の歯石になります。
これらは細菌の塊なので、口臭、虫歯、歯肉炎、歯周病などなど、さまざまな口内トラブルの原因となります。
そもそも、プラークとかバイオフィルムって何だと思いますか?
プラーク(歯垢)は、細菌の集合体です。
バイオフィルムも、細菌の集合体です。
同じものなのに何故違う名称なのか?
プラークは、食べカスなどに集まった細菌の塊でネバネバしたものを指します。
バイオフィルムは、プラークが集まり膜状になったものを指します。
プラークという概念が先に誕生し、その後研究が進みバイオフィルムが発見されました。
昔はバイオフィルムの事もプラークと呼んでいました。
プラークもバイオフィルムも細菌の塊という意味では同じものです。
プラークより強力にへばりつくのがバイオフィルムって感じです。
キッチンや浴室の排水口ってヌルヌルした汚れが付きますよね?
あれもバイオフィルムです。
排水口のヌメリは、塩素系洗剤をかけるか、スポンジなどで擦り落とすしかありません。
排水口のヌルヌルと同じものが口の中にあると考えると、歯磨きしないと口の中がどれだけヤバイ状態になるか解ると思います。
細菌の最終形態が歯石です。
細菌の死骸と唾液内のカルシウム・リン酸が反応して石灰化し、硬くなったものが歯石です。
歯石の周りにプラークが付くとさらに石灰化が進み、層状に重なるため歯石が大きくなっていきます。
歯石は細菌が死んで固まったものなので、直接で悪さをする訳ではありません。
歯石を顕微鏡で見ると軽石のように小さな穴が無数に空ています。
細菌はそこを住みかに繁殖して毒素を出します。
この毒素が歯や歯を支える骨を溶かしたり、歯茎の腫れを起こしたりします。
最近、歯周病(歯槽膿漏)は糖尿病、心臓病、脳卒中、慢性腎疾患、肺炎、骨粗しょう症、癌などの原因になる事が解ってきました。
炎症のある歯茎の血管から細菌が体内に入り、体中を巡って悪さをするようです。
口内細菌がどんなものか、ユーチューブで観てください。
かなり恐ろしいやつらがうごめいています。
プラークを落とす効果的な歯磨き方法
糖分が細菌の餌になっているという研究結果があります。
細菌は糖を分解して水に溶けないネバネバした不溶性グルカンを作り出します。
不溶性グルカンは、唾液や水をはね返し口内の正常化作用を妨害します。
ネバネバの中で、細菌は増えまくります。
細菌は、24時間程度で酸を作りだし歯や骨を溶かしにかかります。
糖質制限すればこのネバネバが抑えられるようです。
歯科医も甘いものを控える事を推奨されている方が多いです。
しかし、ご飯も食べたいしパンも食べたい、スイーツも食べたいですよね・・・
プラークを直ぐに歯から剥がしてやれば細菌を増殖させずに済みます。
プラークの内は、簡単に剥がせます。
バイオフィルムまで発達してしまうと、剥がれにくくなります。
プラークを落とすのに効果的なのが、歯ブラシでのブラッシングです。
細菌は、物理的に歯ブラシで擦るのが1番です。
正しいブラッシングをすれば、歯磨き剤を付けなくても十分落とせます。
大事なのは、なるべく早く汚れを落としてしまう事。
歯石になる前にバイオフィルムを落とす。
バイオフィルムになる前にプラークを落としましょう。
歯石にまで育ててしまうと、歯ブラシでいくら擦っても落とせません。
歯医者さんで歯石取りをしてもらうしか方法はありません。
自分で歯石を落とそうとしても無駄です。
強いブラッシングは歯周組織を傷つけてしまうので注意してください。
全ての歯をブラッシングするには15分くらい掛かります。
これが意外と長い。
それくらいの時間をかけて歯磨きしてる方は少ないのでは?
特に寝る前の歯磨きが重要です。
寝ている間は、唾液の分泌量が減りますので細菌が大繁殖します。
細菌自体を寝る前に少なくしてあげることで、口内トラブルの防止に繋がります。
私はゆっくり歯磨きをするために、湯船に浸かりながら時間をかけて歯磨きしてます。
洗面所で歯磨きすると、どうしても疲れて短くなりがちです。
風呂での歯磨きは、科学的な見地からも有効です。
お湯につかって体を温めると唾液の分泌量が増えるので、口内の殺菌効果が上がります。
身体が温まると歯茎がゆるみ、歯垢が取れやすくなるという効果もあります。
歯磨きが終わったら、舌で歯の表面を触ってチェックする癖をつけましょう。
磨けていない部分がザラザラしているので磨き残しに気が付けます。
歯の表面がザラザラしていると細菌が付き易くなります。
全ての歯がツルツルになるように磨きます。
1日に1回だけでも良いので、時間をかけて歯磨きをすべきです。
次に、フロスか歯間ブラシを使って歯間を掃除します。
若い方は、歯間が狭いのでフロスが良いと思います。
中年からは、歯茎が下がってくるので歯間ブラシが有効です。
フロスと歯間ブラシ、両方やるのが望ましいですが片方だけでもやらないよりマシです。
歯ブラシだけでは、歯間の汚れを60%しか落とせません。
面倒なのは事実ですが、騙されたと思って歯間ブラシ使ってみてください。
1度やり始めるとやらずには居られなくなります。
ほんとスッキリしますから。
私が使っているフロスは、ルシェロ フロッサーです。
SサイズとMサイズがあります。
安価な使い捨ても使いますが、フロッサーはハンドルが長くて奥歯にも届きやすいので楽なんですよ。
ヘッドは、360度回転します。
縦横90度でカチッと引っかかるような感じで回転します。
前歯はヘッドを縦に、奥歯はヘッドを横にして使います。
歯間ブラシには、太さが幾つかあります。
SSS:〜0.8mm
SS:0.8〜1.0mm
S:1.0〜1.2mm
M:1.2〜1.5mm
L:1.5〜1.8mm
メーカーにより太さが微妙に違います。
大きさで色分けされているメーカーが多いです。
どれくらい歯間が開いているかによって使用するサイズを決めてください。
最初は、SSSから試すのが良いと思います。
食事をしていて歯間にカスが詰まって爪楊枝が欠かせないなら、Sでも行けると思います。
狭い歯間に無理やり太いブラシを入れると歯茎を傷めますので、丁度良い大きさ(ギリギリ入る太さ)を選んでください。
歯間ブラシは、I型ではなくL型をオススメします。
L型の方が絶対に楽です。
直ぐにダメになる訳ではないので、少し高くてもL型が良いですよ!
ゴム製の歯間ブラシもありますが、金属芯の方が丈夫で長持ちします。
歯間ブラシを使うと、歯ぐきが痩せるとか歯間が開くという噂があります。
歯間ブラシを使うと歯茎の腫れが収まり、正常な状態に戻るのでそう見えるだけです。
歯茎は、引き締まった状態が本来の姿です。
歯間ブラシを使って歯間が開いて見えるようになる方は、既に歯茎の後退が進んでいます。
歯間の掃除をしないでいると、歯茎の炎症が進み歯間がどんどん広くなりますよ!
歯磨きに時間をかけ、歯間ブラシをしても、歯垢は70〜80%程度しか落とせないと言われています。
歯の専門家でも、100%汚れを落とせる人は居ません。
それが自分で出来る限界です。
リステリンで磨き残しをサポート
歯磨きでの汚れ落としには限界があるので、薬でサポートをしてあげます。
使うのはリステリンです。
リステリンは、外科手術用の消毒剤として誕生しました。
その後、口内の殺菌効果も確認され1895年からは歯科医向けの販売が始まりました。
リステリンは1879年頃に「淋病治療薬」としても販売されていたそうです。
抗生物質が登場する以前なので、ある意味画期的だった事でしょう。
これまで100年以上「淋病治療薬」としての科学的根拠がありませんでしたが、現在の研究によって本当に淋菌に対する殺菌効果が実証されました。
オーストラリアの研究チームが英医学誌「性感染症(Sexually Transmitted Infections)」に研究論文を発表しました。
この論文によると、実験室のペトリ皿内の淋菌と感染者の喉に存在する淋菌をどちらも殺したそうです。
リステリンの、殺菌効果は凄いみたいですね。
強力な殺菌効果で、水虫にも効くとか・・・
リステリンと言えば、歯磨き後のうがい薬です。
刺激が強くて数十秒も耐えられない、痛くて嫌いという方も多いでしょう。
色によって、刺激の強さと効果が違います。
・オリジナル(オレンジ)は、4種類の薬用成分で殺菌します(刺激強)
・フレッシュミント(緑)は、オリジナルと同じ効果ですが、味が違い低刺激です。
・クールミント(青)は、オリジナルと同じ効果で、味が違い刺激が少ないです。
・ナチュラルケア(黄)は、アルコールが入ってないので刺激が弱く、初心者向けです。
・ターターコントロール(水色)は、4種類の薬効成分+歯石抑制薬配合です。
ここまでは、歯磨き後に30秒間うがいをするタイプになります。
リステリンには、液体歯磨きも存在します。
トータルケア(紫)は、歯石の沈着予防、自然な白い歯へ、口中の浄化、歯垢の沈着予防、歯肉炎の予防、口臭の予防の6つの効果があります。
刺激は強めです。
トータルケアゼロ(薄紫)は、トータルケアと同じ効果で、ノンアルコールで低刺激になっているバージョンです。
リステリンを使うなら、最も効果が多くて低刺激なトータルケアゼロをオススメします。
液体歯磨きなので殺菌効果のある薬剤を長く口の中に留めておく形になります。
私はリステリンの強い刺激が嫌なので、コレを使ってます。
リステリントータルケアゼロの使用感
リステリンは全般的に刺激が物凄く強いですが、トータルケアゼロはアルコールが入っていないので低刺激です。
とは言っても最初は頬の裏や舌に刺激を感じると思います。
数回使っていると慣れますので、最初だけは我慢です。
慣れるまでは、水で薄めて使うと良いと思います。
お子様にはちょっとキツイと思うので、薄めてあげてください。
誤飲する可能性がある場合は、使わないでください。
口に含んでしばらくウガイして吐き出すと、口の中に渋い感じが残ります。
渋柿を食べた時のような感じです。
渋柿食べたこと無い方には、解らないかも知れませんが・・・
液体歯磨きなので、これでうがいした後に歯を磨くと少し泡が出ます。
磨いた後そのままでも良いそうですが、私は渋さと泡が嫌なので水でうがいしてます。
口の中に残ったリステリンを飲み込みたくないのもあります。
液体歯磨きで研磨剤が入っていないので、長く磨いても歯が削れる心配がありません。
入浴しながらのゆっくり歯磨きに最適です。
リステリントータルケアゼロの良くないところ
2年ほど使ってますが、使い続けるとお金が掛かります。
1度に使う量がそこそこ多いので、コスパは良くありません。
500mlだと減りが早いので、普段は練り歯磨き剤を使い、夜だけリステリンを使っています。
初めての場合は、500mlを買って試してください。
大人なら大丈夫だと思いますが、味や刺激に耐えられない方も居ると思うのでお試しに丁度良いサイズです。
1Lの方が1回の使用単価が安くなるのですが、ボトルが大きいので置き場所に困ります。
私と同じく狭い洗面所にお住まいの方は、500mlのボトルへ移し替えて使いましょう。
1Lのまとめ買いがコスパ的にオススメです。
リステリン使っているとキャップに不満が出ると思います。
キャップを計量カップとして使うのですが、そのままボトルに戻すとキャップのフチから液垂れします。
液垂れによってボトルとボトル下がベタベタになります。
仕方ないので、キャップを毎回水で流してからフタをするようにしています。
キャップを流すのが面倒な方は、専用のポンプが売られています。
ボトルの先端に付けるタイプのノズルだけなのでお安いです。
最初からポンプ付きの商品もあります。
コップに移して使う形になるので、ひと手間増えますが液だれ問題は解消できます。
1Lボトルをそのまま使う方は、重いので最初からポンプ付きを買った方が良いと思います。
リステリンはバイオフィルムを破壊する?
「リステリンは市販薬の中では、唯一バイオフィルムを破壊する可能性がある」と、歯科医の先生から聞きました。
ただ、どれだけの効果があるか本当のところは解らないとの事です。
リステリンでバイオフィルムのほとんどを破壊できると信じている歯科医も居るとか。
逆に全く効果が無いという医師も居て、考え方が分かれるようです。
リステリンで本当にバイオフィルムを破壊できるか?
販売元が自ら行った試験は正確性を欠く可能性があるので他の情報が無いか調べました。
新潟大学の"バイオフィルムに対するリステリンナチュラルケアの浸透性と殺菌効果の評価"という論文を見つけました。
そこに、アルコールを含まないリステリントータルケアゼロでも人工バイオフィルムへの浸透殺菌が確認され、生菌の減少が認められたとあります。
バイオフィルムは物理的に歯の表面を擦って剥がすしか無いというのが定説です。
リステリンの公式サイトでも、歯ブラシによるブラッシングの重要性が書かれています。
リステリンで細菌を減らす事が出来たとしても、完全に排除するのは難しそうです。
ブラッシングで歯の表面についた汚れを取り除く必要性があるのは確かでしょう。
バイオフィルムの防御壁はしぶといので歯ブラシで削り取るには、練り歯磨きに入っている研磨剤が必要という話もあります。
毎回リステリンで歯磨きするより、練り歯磨きもローテーションで使った方が良いのかも。
リステリントータルケアゼロ以外で話題の製品
リステリントータルケアNo.6という、フッ素入りのリステリンが海外で販売されています。
フッ素の効果で、虫歯予防できそうですが日本では販売されていません。
個人輸入して使っている方からの情報ですが、かなり刺激が強いみたいです。
刺激に弱い私には無理そう・・・
コンクールFというマウスウォッシュも人気があります。
アメリカ歯科医師会(ADA)とアメリカ政府食品医薬品局(FDA)により歯垢の蓄積と歯肉炎を予防し、減少させる目的で処方することが承認されている洗口液です。
効果はありそうですが、コンクールFに使用されている殺菌剤グルコン酸クロルヘキシジンは、長期間使用していると歯に着色する性質があります。
着色するのは、嫌ですよね?
着色により歯が黄色っぽくなる事があるので、使用後は良くうがいするようにしましょう。
もし着色しても歯の表面に付くだけなので、歯科で簡単に落とせます。
歯医者さんに置いてある場合もあります。
こんな時にも使えるリステリン。
リステリントータルケアゼロは、災害時に水が使えない時用の歯磨きに使えます。
東日本や九州での災害時、避難者に口内トラブルが多発したのはあまり知られていないと思います。
災害が起きてしばらくは水が自由に使えないので、歯磨き出来ない状態が続きます。
そんな時に液体歯磨きは役に立ちます。
口内炎にも効きます。
口内炎が出来た時にリステリンをすると治りが早いです。
傷にばい菌が入ると炎症が悪化しますが、殺菌する事により治りが早くなるのでしょう。
ちょっと染みますけどね・・・