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2017年03月07日

ビルケンの簡単お手入れ方法!オイルドレザーの特徴とメンテナンス(革靴メンテ1)



今回は、革製ビルケンサンダルのお手入れ方法やグッズについてです。

ビルケンのハバナの革は、牛ヌメのオイルドレザーです。
オイルドレザーのお手入れ方法を中心に書いていきますが、革製品全般に生かせる内容もありますので、良かったら最後までお付き合いください。

革靴メンテトップ画像

革のお手入れは専門的で面倒そうですが、必要最低限な事だけでもやっておくと違います。
几帳面に手入れしようと思えばいくらでも出来ますが、モノグサには無理です。

靴好きな方に怒られそうですが、私は綺麗な状態を出来るだけ楽して維持したいです。
お手入れグッズも、最低限で済ませたいです。
しょぼい靴しか持ってないので、シュ―ケア用品にお金も掛けられません。

ビルケンのオイルドレザーは艶消しなので、手をかけてピカピカに磨く楽しみはありません。
仕上がりの美しさより、革をダメにしないための手入れをして行きます。

ビルケンサンダルは、高かったですが所詮サンダル。
サンダルは大事に大事に使うものではなく、気軽に履くものという認識です。
気軽に履けないサンダルなんて意味がないと思っています。

ガッツリ汚れてきたり革が乾燥して来たら本格的にやるとして、まずは購入後すぐから1〜2年のお手入れ方法から。


オイルドレザーってどんな革?


ハバナで使われているオイルドレザー(オイルレザーとも呼びます)について。

オイルドレザーといえば、牛のヌメ革が使われる事が多く定番と言えます。
少ないですが、牛以外のヌメ革もありますよ。

ヌメ革とは、どんな革か?
ヌメ革は、なめしを施しただけの無着色、無塗装の革の総称です。
革の中で1番自然な状態と言えます。
表面にキズがない皮が使われるので、他の革よりも高価です。

では、オイルドレザーとは?
文字通り、油の革です。
通常より多く油分を加えてなめされているので、光沢は鈍いです。

油分が多いので他の革より撥水性は高めですが、ゴミやホコリを吸着しやすい性質です。
埃と油は仲良しですからね。
厚みがあり傷に強い事から、ワークブーツなどに使われる事が多いです。

オイルドレザーは、革本来の素朴な風合いやしっとりとした手触りが魅力なので、それをどう維持するかがメンテナンスのポイントになります。


普段はブラシでゴミをとるだけでOK!


普段、靴の汚れ取ってますか?
やってない方が多いのではないでしょうか。
私もほとんどやっていません(笑)

革靴は、汚れを放置しないのが基本です。
本当は良くないのですが、スーツの時に履くビジネスシューズはあまり履かない事もあり、履いた後靴の中を乾燥させて靴箱に入れっぱなしです。
皮が付いているスムースレザーは、履く前にサッとペン型の靴ズミを付けて磨くだけで綺麗になっちゃうので楽です。

オイルドレザーはスムースレザーと違い、ホコリが付き易いので日々の汚れ落としが大事になってきます。

日々の手入れ?!面倒くさ〜と思いますが、やる事はブラシをかけるだけです。
それなら簡単でしょ?

シューズブラシには幾つかの種類があります。
・馬毛ブラシ
革表面に付着した埃や汚れを落としたり、メンテナンス後の仕上げに使います。
毛が柔らかいので革に傷をつけません。
私は、ホコリやゴミ取りのためだけに使っています。

・豚毛ブラシ
靴クリームを塗る際、ブラッシングして革に浸透させるために使用します。
馬毛より毛が硬いので、目立つ汚れを落とすのに使っている方も居ます。

・化繊ブラシ
境目や縫い目など細かい所の汚れをかきとるためのブラシです。
スエードを含めた起毛素材の毛が潰れてしまっている部分は、硬いブラシで毛を起こしてあげると質感が戻ります。
化繊ブラシの代表は、歯ブラシです。

・山羊毛ブラシ
馬毛より軟らかく細い毛質です。
仕上げが後に使うと艶が出ますが、ちょっとマニアックな品です。
高価ですし、一般的ではないと思います。

代表的な靴ブラシの種類は、こんなとこです。
色々なブラシがありますが、全部は必要ありません。
どのブラシも使い古して軟らかくなった歯ブラシで代用可能ですが、ホコリ落としの馬毛ブラシだけは、ある程度の大きさがないと大変だと思います。

クリームを使う場合、豚毛ブラシがあった方が良いのですが絶対必要なものでもありません。
クリームは、布や指で塗り込む事も出来ますし、使い古しの歯ブラシも使えます。

豚毛ブラシは、100均にもあります。
ダイソーとセリアの靴コーナーで見かけました。
靴クリームを使うとブラシが汚れますので、100均ブラシでで十分でしょう。

ブラシは、兼用してはいけません。
例えば、ホコリ落とし用の馬毛ブラシを仕上げで使うと、せっかく綺麗な靴の表面に埃を擦りつける事になります。
汚れを落としたのに汚れを付けたら意味が無いですよね。

本当は履いた後に必ず馬毛ブラシをかけた方が良いですが、私はたまにやる程度です。
サッと履いてサッと脱げるのがサンダルの良いところなのに、毎回かけてられません。

そんな私が言っても説得力がありませんが、時々やるだけでも数年後の綺麗さは変わりますので、なるべくやりましょう。
ブラシを玄関に置いて目に付くようにしておくと、気が付きやすいのでブラッシングする頻度が増えますよ。


私が使っているのは、このミニホースブラシです。
街の靴屋さんを数件回って探しましたが、売ってませんでした。
靴専門店でも、馬毛ブラシはほとんど置いてません。
あってもビックリするほど高かったり、豚毛だったり、化繊だったり。

LOFTの靴メンテナンスコーナーでようやく見つけ、500円で買いました。
大きいブラシの方が楽ですが、値段が跳ね上がるのでミニで十分です。
ブーツの場合は、大きくないと大変だと思います。

ビルケンの店員さんも「ブラシだけはして欲しい」と言ってました。
ブラシだけしておけば、あとは何もしなくても良い状態が保たれるとの事です。
ブラシをかけていない靴は革繊維の奥まで汚れが入り込むので、メンテナンスに限界があるそうです。


がっちり防水しましょ!


革の敵は水です。
革自体が水に弱いわけでは無く、革に水が染みると面倒なんです。

染み跡がついた革製品は、実際よりボロく汚く見えます。
革の表面に水が乗ったまま放置しておくと、水ぶくれのようになる場合も。
特に明るい色の革は、雨染みが目立つので注意が必要です。

革に油分を多く染み込ませておけば、ある程度水を弾いてくれますが、防水性はあまり高くありません。
クリームを塗りすぎると、通気性が損なわれ革の寿命が縮みます。

革靴の防水には、防水スプレーを使います。
防水スプレーは水だけでなく油も弾いてくれます。
防水だけでなく、革の汚れ防止にもなります。
毎日履くなら週1回、週2〜3回履くなら半月に1回程度のスプレーで良いと思います。

本当は「防水スプレー」ではなく「撥水スプレー」ですが、本記事では解りやすいよう防水スプレーと呼びます。

防水スプレーには、フッ素系とシリコン系があります。
シリコン系は、シリコンの膜を素材表面に作るので、通気性が犠牲になりますが安価です。
フッ素系は、素材が持つ通気性を損なわず、シリコン系より撥水性が高いです。
ただ、値段も高いです。

革は呼吸をしますので、フッ素系にしましょう。
表面をシリコンで覆ってしまうと革が死にます。

私も今回は、少し高いフッ素系の革用防水スプレーを購入しました。

ビルケンの直営店がオススメしていたのがコロニルです。
購入時にこのスプレーを多めに掛けてもらい防水対策してもらいました。
染みになりにくいスプレーです。
200mlと400mlがありますが、400mlの方がお得です。


フッ素系の防水スプレーは値が張りますが、少し安いのがコロンブスのアメダスです。
2本セット〜24本セットまで売られています。
性能もまぁまぁだそうです。



コロニルも良いですが、今回は試しにM.モゥブレィの撥水・防汚スプレーを買ってみました。
エムモゥブレィって読みづらい・・・

エムモゥブレィは、靴ケア用品で有名なブランドです。
革クリームはイタリア製ですが、このスプレーは日本製です。
220mlと300mlがあります。
価格と量で比較するとコロニルやコロンブスの方がコスパは良いです。


対応素材は、コロニルのウォーターストップとほぼ同じです。
スムース・スエード・ヌバック・ムートン・ナイロン・キャンバス等色々な素材に使えます。
GORE-TEX対応なので、持っているゴアテックスのレインブーツにも使ってます。

WOLY(ウォーリー)プロテクター3×3というスプレーを使っていた方は御存知かと思いますが、代理店契約を止めたのか取り扱が無くなりました。
WOLYプロテクター3×3の後継品として出てきたのが、このスプレーでレザーケア用品で定評のあるR&D社が開発したものです。

WOLYプロテクター3×3とエムモゥブレィプロテクターアルファの比較検証されている方のブログを拝見しました。
結果は、エムモゥブレィプロテクターアルファの圧勝で撥水性能が高さが判りました。

使い方は、一般的な防水スプレーと同じです。
ブラシで埃などの汚れを払ってから使用します。
25cm以上離して表面が軽く濡れる程度にに吹きつけ、30分以上放置して表面を乾かします。
スムースレザー(ツヤ革)は乾いた後、柔らかい布で磨きます。
起毛皮革は乾いた後、スエードブラシなどでブラッシングします。

実際に使ってみました。
スプレーすると、すぐに革に染み込んで行きます。
写真は、まだ途中まで(右側だけ)しかスプレーしていません。
防水スプレー使用
スプレーして少し乾くと、薄く斑(まだら)状のムラができました。
また、擦り傷が白っぽく目立つようになりました。

半日放置して完全に乾燥させ表面を軽く布で拭いてやると、目立っていた傷跡や色ムラがキレイさっぱり無くなり元通りになりました。
いやぁ〜、焦りました。
きっとフッ素が革表面の荒れている部分に着いてそう見えたのでしょう。

水を垂らしてみたところ、水が玉になって滑り落ちました。
乾燥後、2〜3回重ねてスプレーする方が良いようですが、1回でも十分撥水してくれます。
なかなか高性能で良いと思います。

使用前にスプレー缶を振りたくなりますが「容器を振らずに使用してください」と注意書きがあります。
容器を振ると内容物を使い切れなくなりますって!

知らずに振って使っちゃったよ(笑)


防水スプレーを使う時の注意


ビルケンのフットベットはスエードです。
防水スプレーがスエード対応でも、フットベットに掛けてはいけません!
防水スプレーをかけてしまうと、スエードの吸放湿機能が失われます。
せっかく足裏の汗を吸って自然放湿するよう設計されているのに意味がありません。
靴の中敷にスプレーが掛からないよう、注意してください。


革用スプレーなら大丈夫だと思いますが、念のため染みにならないか目立たない場所で試しましょう。
試し吹きしたところが、乾くまで我慢です。
ナチュラルレザーやオイルドレザーは、薬剤を深くまで吸うので染みになると取り返しがつきません。


防水スプレーを使用する際は、必ず屋外の風通しの良い場所で!
風向きにも注意して吸い込まないようにしてください。

防水スプレーを吸い込む事故が起こっています。
靴店で靴の汚れやシミを防ぐ保護効果のある防水スプレーを購入した。
自宅マンションの玄関で換気扇を回しながら当該品を数足の靴に噴霧し使用したところ、数時間後に高熱を発熱し、呼吸困難になった。
翌日、医療機関を受診したところ、過敏性肺炎と診断され緊急入院となった。
酸素吸入、肺洗浄等の治療を受け、9日間入院した。


肺が防水って・・・苦しそう。
この事故は、誰にでも起こり得ますので十分に注意してください。


posted by ユージュー at 05:29 | Comment(0) | ファッション 靴