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2017年03月07日

ビルケンの簡単お手入れ方法!靴クリームの必要性と雨染み対処法(革靴メンテ2)



前回に引き続き、ビルケンサンダルのお手入れ方法です。
今回は、靴クリームやステインリムーバーについて、雨に濡れてしまった場合どう対処するか、フィットクラブの情報を書いていきます。

革靴のメンテナンストップ画像


靴クリームで潤いを!でも塗り過ぎはNG


定期的に革用クリームなどで水分や油分などの栄養を与えてやると革の寿命が延びます。
そこに、防水スプレーをしておけば、鬼に金棒です。

革は人の肌と同じで、乾燥するとヒビ割れします。
革用クリームやオイルの役目は、乾燥を防ぐ事です。
乾燥する冬に唇の皮が割れるのを防ぐリップクリームみたいなものです。

保革用のクリームは、それほど頻繁に塗る必要はありません。
1カ月ごとや半年ごとなど諸説ありますが、革の栄養補給タイミングは期間ではありません。
どれくらい履いたか、どれくらい革が乾燥しているかで頻度が変わってきます。

オイルドレザーは、元からたっぷり油分が入っているので、しばらく油分を追加しなくても問題は起こりません。
使用環境や保存状態にもよりますが、3〜4年は油分が抜けることは無いでしょう。
だからと言って何もしないと、油と結合した汚れが蓄積されます。
年1回くらいは、汚れ落としも兼ねてクリームなどで手入れをした方が良い状態が保てます。


靴クリームは非常に多くの種類があり、どれを選べば良いか難しいです。
色付きクリームもありますが、靴色と合っていないと雰囲気が変わってしまいます。
黒以外は、使うのが難しいと思います。

オイルドレザーへの油分補給はミンクオイルが定番ですが・・・
上手に塗ってやらないと、べたつきが出たり、オイルが入り過ぎて革がフニャフニャになる場合があります。
そもそもミンクオイルは、アメリカのような常に乾燥した場所用に作られたものです。
ミンクオイルを使う場合は、すごく薄〜く塗るようにして余計な脂をきちんと取り除いてやれば、べたついたり軟化しすぎる事はありません。

ミンクオイルより吸収が良くべたつき辛い、ホースオイル(馬油)を使ったマスタングペーストという商品も人気です。
伸びが良く使いやすいですが、白残りする事もあるので初心者向きではありません。

ミンクオイルやマスタングペーストなどの動物性脂は、使うのに慣れやコツが必要です。
下手にやると染みになる可能性もあります。


初心者でも使いやすいのがデリケートクリームです。
デリケートクリームは、名前から判るようにデリケートな皮革用(ラムスキン、キッドスキン、クロコダイル等)のクリームです。
デリケート皮革専用品ですが、丈夫な牛革に使っても構いません。
水分主体で油分が抑えられているので、べたつかず染みになりにくいのが特徴です。

最初にデリケートオイルを塗り、上から油分の多いクリームを足してやると油の入り過ぎが抑えられます。
このように下地剤としてデリケートクリームを使っている方も多いです。


デリケートクリームの元祖と言えるのが、エムモゥブレィのデリケートクリームです。
昔は、革には油分だけで良いと考えられていましたが、水分が無いとヒビ割れする事が解ってきました。
その水分補給をメインに考えた商品になります。

使用されているラノリンは、羊毛から採れるロウ脂で柔軟効果を出します。
有機溶剤が入っているので汚れも落とし効果もあります。
これまでは60mlだけしかありませんでしたが、昨年200ml入りも出ました。
良く使うなら200mlの方がお得です。


エムモゥブレイデリケートクリームの上位版が、リッチデリケートクリームです。
約97%が天然成分で、主成分はアボカドオイルです。
アボカドオイルは、べたつかず浸透しやすい性質を持っています。
デリケートオイルより油分が多めに入っているので、少しだけ艶が出ます。


コロニルのデリケートクリームは、汚れ落とし成分が多めに入っているのでクリーナー代わりに使えます。
汚れが気になる場合は、エムモゥブレィより良いと思います。
手垢で汚れやすい財布やベルトなどの革小物にも使えます。


サフィールのデリケートクリームは、ホホバオイル配合で他のデリケートクリームより油分が多めに入ります。
若干汚れ落とし効果もあります。
蜂蜜の良い香りがしますが、微妙にアンモニア臭もあるので好みが分かれます。



デリケートクリームは、ロウ分がほとんど入っていませんので艶が出ません。
艶がないナチュラルレザーやオイルドレザーに、丁度良いと思います。

私が買ったビルケンのオイルヌバックは、銀面をヤスリで毛羽立たせているため艶消しなのが特徴です。
ヌバックはスエードの短い版みたいなイメージ。

オイルを塗って磨くと毛羽立ちが寝てしまい、ツヤツヤになる可能性があります。
毛羽立ちが無くなるので革としての防水性や汚れの入り込みは少なくなり、それが味にもなりますが、質感が失われるのが嫌な場合もあるかと思います。
毛が寝てしまったらスエードやヌバック対応の起毛用ブラシかワイヤーブラシで毛を起こすようにブラッシングしてみてください。
ワイヤーブラシは硬すぎると傷付きますから、柔らかめのやつね。
磨きすぎていなければ戻せる可能性があります。

クリームで色が変わるとか、毛が寝てしまうのが絶対嫌な方は起毛用スプレーが安心です。
コチラはカラー付きもあるので間違えないように!

どのクリームもそうですが、塗りすぎると目詰りしてヒビ割れやカビの原因になります。
薄めに塗って表面に残ったクリームはしっかり拭き取るようにしてください。
手間をかけて革の寿命を縮めては元も子もありません。

オイルドレザーは、すぐに油分が足りなくなる事はありません。
脂がたっぷり染みている革に、外から油分を入れようとしても、既にある油分に押し返されますので浸透しません。
革が固くなってきたりカサカサしてきてから、油分補給ができるケア用品の購入を考えても遅くありません。
平行輸入品で倉庫に長く保管されていたものは、新品でも革が乾燥している場合があります。

靴クリーム代わりに、ハンドクリームを使っている方も居ます。
ドラッグストアで売っている手に塗るアレです。
人の手に良いものは、革にも良いだろうという発想です。

ブラシでホコリなどの汚れを落とし、濡らした布を固く絞り軽く撫でるように拭きます。
多少革が湿りますので、乾燥させた後にハンドクリームを薄〜く塗ります。
通常使うようにハンドクリームを手に塗り広げ、手に残っているクリーム成分を革を撫でて移す程度の量で良ようです。

ハンドクリームメンテで5年経った革ブーツ写真を見ましたが、写真では綺麗に見えました。
革質的にも全く問題は出ていないとの事です。

意外とやっている方が多そうですね。
注意点としては、ハンドクリームの成分は商品によって色々なので、染みにならないか目立たない部分で確認するようにして下さい。
因みにその方は、ニベアを使ってました。


ビルケンの場合、直営店に持ち込めばアフターサービスでメンテナンスしてもらえます。
靴の専門家が状態に合わせてクリームを塗ってくれます。
1番安上がりで安心確実!
年1回ショップにお願いして、メンテナンスしてもらうのが楽で良いかも!


汚れを落とすためにステインリムーバーは必要?


水分や油分を補給する際には、ステインリムーバーで以前の油と汚れを落とし、革をリセットしましょう!
こんな風に書かれているサイトが多いですよね。

ステインというのは「汚れ」の事で、リムーバーは「取り去る」という意味です。
この言葉通り、ステインリムーバーである程度の汚れが落ちるのは確かです。

でも、毎回革をリセットする必要はあるのでしょうか?
推奨派は、毎回やらなきゃダメと言います。
否定派は、使っちゃダメと言います。
どちらも経験からの発言で、間違っているとは思えません。
革の状態や使用環境が違うはずなので一概に言えないところです。

私は、数年に1回なら使っても良いけど毎回はやりすぎと考えています。
理由は、ほとんどのクリームに溶剤成分が入っているから。
ほとんどの汚れは有機溶剤で落ちます。
汚れと一緒に、前回塗ったクリームの劣化した残骸も落ちるはずです。

溶剤が入っていないオイルを塗り重ねているとか、溶剤入りのクリームを持っていないなら、ステインリムーバーが活躍すると思います。
靴のメンテ用品一式を買い揃えたい方は、1本持っていても良いと思います。


リムーバーに近いものにサドルソープがあります。
洗浄と同時に油分も入れてくれるという画期的なものです。


しかし、ちょっと気になる記事を見かけました。
サドルソープが革の汚れを落とすという能力は疑わしく、洗浄力はほとんどない。
定期的にサドルソープを使うと、吟面は硬くなり、色が濃くなり、ひび割れる。
また、汚れが革の中により深く入るので、汚れ、石鹸および過剰な油脂で吟面がふさがれる。

サドルソープが皆が思ってるようなレザーケア製品でないことを示す強力な証拠があります。 
博物館の重要な収集資料にサドルソープを用いたところ、永久に残る損傷が起きてしまった。

う〜ん、この記事が事実であればサドルソープを使うのが怖くなります。
定期的に使わなければ面倒な事にはならないのかも知れません。

サドルソープで洗って銀面(革の皮)がボロボロになったとか、シワが余計に酷くなるなど失敗している人も居ます。
逆に凄く綺麗になって復活するパターンもあるようで・・・
革の状態や種類によるのか?
私は、どうしても汚れが落ちないとか、染みが落ちない場合以外は使わないかな〜。


靴クリームと防水スプレーの順番


靴クリームを塗る場合は、防水スプレーは最後にします。
防水スプレーの後にクリームを塗るとクリームが入りづらくなります。

防水スプレーを浸透させてからクリームを塗る派の方も居るようですが、クリーム→スプレーが正しい順番です。

防水剤は、時間と共に効果が無くなるものではありません。
スプレーしたまま動かさなければ、ずっと防水されます。

シリコンもフッ素も素材繊維などに付着する事で防水性を保ちます。
素材が動けば形が変わり、素材同士が擦れ合います。
この摩擦によって防水剤が繊維から剥離して、防水性能が落ちて行きます。
もちろん水分を弾く際にも、ある程度剥がれおちます。

一方、靴クリームは素材そのものに浸透させるものです。
最初にクリームを塗るのは、素材に浸透させやすくするためです。
クリーム浸透後に防水スプレーをすれば、染み込んだ素材の上に防水剤が付着するので効果が得やすい訳です。


防水スプレーをしたけど上から靴クリームを塗っても大丈夫か?
防水スプレーの効果は意外と短く、毎日履いていたら数日で効果は半減します。
2週間もしたらほとんど防水効果が無くなると思って良いでしょう。
防水スプレー後、2週間も開ければ問題無くクリームが入るはずです。

防水スプレーをした後にすぐクリームを塗ったらダメと言う事は無いですが、効果を高めたいならクリームの後にスプレーが正解です。

防水スプレーを、ステインリムーバーなどのクリーナーを使って落とす必要はありません。
ステインリムーバーは、泥やホコリを取り込んだ古い靴クリームを落とすものです。
防水スプレーに使われているシリコン等を落とすものではありません。


突然の雨!濡れてしまった場合


少し濡れた場合は、タオルなどで水を吸ってやります。
水を拭き取る時に革をゴシゴシ擦らないように拭き取ってください。
濡れた革は弱くなっていますので、擦るとシワが寄ったり傷が残ります。
靴の中に新聞紙やキッチンペーパーを丸めて突っ込みましょう。

少しの濡れであれば、これだけで問題ありません。

新聞紙を靴の中に入れる時の注意点。
靴の中に新聞紙を入れて良いのは、靴内部が濡れていない時だけです。
濡れた靴に、新聞紙を入れると貼りついたり、インクが汚れとなって付着します。

靴の中に新聞紙を入れっぱなしにすると逆効果です。
新聞紙を数時間ごとに交換できれば良いのですが、入れっぱなしにする方が多いと思います。
入れっぱなしになるなら、何も入れない方がマシです。
タオルなどで内部の水分を出来るだけ吸い取り、何も入れないで乾かしましょう。
湿った新聞紙がずっと靴の中にあると、乾きが遅くなりますし雑菌も繁殖します。

靴が濡れたからと言って、日光に当てて乾かしてはいけません。
ドライヤーは、絶対ダメ!
熱が加わる乾燥は、革の変色・縮み・硬化の原因になります。
革は人の皮膚と同じで、熱に弱いので陰干しでの自然乾燥が基本です。

革の一部に深く水が染みん込んでしまった場合はどうするか?
思い切って全部濡らします。
一部分だけ染みたままで乾くと、染みていない部分との境が目立つようになります。

そこで、布をビチャビチャに濡らして、乾いている部分を覆い靴全体に水を染み込ませます。
靴の内側を濡らさない方が早く乾くので、外側だけに布を掛けて染み込ませてください。
全体に水が染み込んだら布を取り除きます。
革全体が同時に乾くと、染みの境目線が残りません。

汚れた水が染みた場合は、スポンジや布で軽く叩くようにすれば汚れが浮いてきます。
この時、革を擦らないようにしてください。
汚れをスポンジや布に吸わせます。
染みが深い場合は、上記と同じく汚れた部分だけで無く全体を濡らします。

水にドブ漬けしたり、丸洗いするのは最終手段です。
靴内部まで完全に水が入ると、乾くのに相当時間がかかります。

革靴を熱湯で洗う方が居ますが、熱で接着剤が溶ける事があります。
ソールなどが取れてしまう場合があります。
全体を濡らす時は水、またはぬる〜いお湯にしておきましょう。

革靴は濡れるとグニャグニャに軟らかくなるので、型崩れを起こしやすいです。
1度型崩れすると元には戻りません。

シューキーパーを入れて乾かせれば良いですが、サンダルには踵がなく突っ張れません。
サンダルなどは、新聞紙にキッチンペーパー巻いて詰めましょう。
詰めモノは、数時間ごとに入れ替えてください。
型崩れが防げて吸湿性があるものなら何でも良いのでパンパンに詰めてください。
革が不自然に引っ張られたまま乾かしてしまうと型崩れを起こします。
パンパンにすると言っても程々に!

全体を濡らした後の革は、水分が抜けると同時に油分も抜けます。
完全に乾いたら、クリームなどで少し油分を補給してあげましょう。

そもそも雨で染みるような状態で履いているのが間違いです。
雨が染みるという事は、防水できていない状態です。
防水スプレーなり、油分なりで水を確実に弾く状態をキープしましょう。
面倒な事になる前に防水スプレーです!


Fit Clubでお得に修理


ビルケンの直営店(日本代理店)がやっているFit Club(フィットクラブ)は御存知ですか?
ビルケンとクオリネストの2ブランドが対象で、色々な特典が受けられる無料会員制度です。

特典は、この4つ
・会員限定優待のお知らせ
・9,000円(税込)以上で送料無料
・ビルケンシュトックのフットウェア修理10%オフ
・ご愛用者サポート

週に1〜2通のメールマガジンが届きます。
時々、会員限定のアウトレット情報などもあります。

大きいのは、フットウェア修理10%オフです。
・オールソール交換(サンダル、クロッグ/ペア)4,500円 → 4,050円
・オールソール交換(シューズタイプ/ペア)10,000円 → 9,000円
・ヒール部交換(ペア)3,000円 → 2,700円
・スエードライナー交換(張替え/ペア)¥4,000 → 3,600円
・バックル交換(1ヵ所)¥1,600 → 1,440円
このように、割引率が大きいです。

直営店で靴を購入すると、「お客様番号」入りのFit Clubの「会員登録案内」が貰えます。
店頭で修理を申し込む時に、割引を受けようとすると「お客様番号」が必要になります。
ネットからでも会員登録可能です。


一部、サービスを受けられない店舗がありますので、注意してください。

靴の修理をする際に、街の靴修理屋さんに頼むなら入らなくても良いと思います。
ビルケン修理は、やや値段が張りますが質も高いので間違いありません。

(※2017年4月24日追記)
FitClubの会員限定優待が拡充されました!
FitClub会員かつ「お得な情報を受け取る」のチェックを入れている方限定で、年に数回、会員限定特別クーポンが届くようになりました。
期間限定10%OFFクーポンなど、その時々でクーポン内容は変わる模様です。

(※2017年7月7日追記)
少し前からビルケンショップで、ライナー・クリーニングサービスが始まっています!
ライナーとは、フットベット表面の事です。
裸足で履いている方は、フットベットが黒ずしまっているのではないでしょうか?
クリーニングの価格が2,000円なので、少し足してライナーを貼り替えるのも手です。
クリーニングには、1週間程度かかるようです。
自分で丸洗いしても良いですが、プロにやってもらった方が後々問題が起きにくいはずです。


革靴のお手入れは奥が深い


革は色々な種類があり、当記事に書かれた方法が適さない場合もあるのでご注意ください。
お持ちの革靴に使える部分があれば参考にしてください。

革靴のお手入れ方法は奥が深い!
メンテナンスグッズが非常に多く、やり方も人それぞれです。
靴屋さんも店によってやり方や考え方が大きく違うので、何が正しいかは自分で判断するしかありません。

それだけマニアックな靴メンテの世界があるという事だと思います。
特に靴クリームは、非常に種類が多くてどれが良いやら・・・
靴クリームだけで1つブログが出来そうなほどです。

多くの革靴専門店の方が言うのは「靴が好きな人ほど、やり過ぎて革をダメにしている場合が多い」という事。
何事もやりすぎは良くないのでしょう。

普段からブラシをかけておいて損は無いと思います。
高いものは必要ありません。
ブラシをかけるのに5分もかかりません。
500円の馬毛ブラシだけは買って、ゴミが付着したままにならないよう気を付けましょう。

以上、革サンダルのメンテナンス方法でした。

posted by ユージュー at 09:52 | Comment(0) | ファッション 靴