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2016年07月29日

(電ドラ2)最初の1台におすすめするドリルドライバー


前回は、電動ドリル・ドリルドライバー・インパクトドライバーの違いや特徴でした。

今回は、最初の1台としてどれが良いかです。

DIYが大好きで趣味にするのだ!という方は、用途にあった工具を用意された方が効率が良いと思います。
穴をあける目的なら電動ドリル、ネジ回しならインパクトドライバーと、1つの目的用に作られた工具が1番使い勝手が良く、快適に作業が出来ます。

DIYを時々しかやらないのに、幾つも道具を揃えるのは勿体ないです。
道具が多ければ便利になりますが、場所を取るし、予算も掛かるので、1つの工具で色々出来れば有難いですよね。

そのような方に最適なのが、電動ドリルドライバーです。
ドリルドライバーは、ドリル機能とネジまわし機能の1台2役の電動工具です。

インパクトドライバーでも、ネジまわしと穴あけができますが、前記事に書いたように素材によっては不具合が起きます。
ネジまわしだけを考えても、DIYで使うには強力すぎる場合が多いです。
ウッドデッキなどの大物を作るなら別ですが、棚、机、犬小屋程度であればドリルドライバーで十分です。

トルクの強力さがインパクトドライバーの魅力ですが、小物を作る事が多い場合、インパクト(衝撃)が邪魔になります。
インパクトで細い角材にネジを打ち込むと、割ってしまう可能性が高いです。

ネジの頭と打ち込み面を平らにしたいのに、必要以上にネジを回してしまい、ネジが食いこんでしまうケースがあります。
トルクが凄いので簡単に強力にねじ込めるため、打ち込み過ぎが起こり、汚い仕上がりになってしまいます。

ドリルドライバーはクラッチ機能があるので、トルクの掛かり過ぎを抑えてくれます。
最初は弱いトルクで回し、徐々にトルクを上げて行けば、丁度良い深さまでネジを埋め込む事が出来ます。

各社のドリルドライバーの比較


最初の1台は、電源コード式をおすすめします。

バッテリー式は、使用頻度が高くないとランニングコストが掛かり過ぎます。
ある日使おうとしたらバッテリーが死んでいた、買いに行ったら取り寄せになった、などバッテリー式は面倒な事が多いです。

いつでも好きな時に直ぐに使えるというお手軽さを重視して、電源コードが付いているもの限定で比較して行きます。

RYOBI(リョービ株式会社)


広島県にある世界的な金型鋳造のメーカーです。
電気工具に関しては、プロ用もラインナップしていて本気度が伺えます。

釣りをやる方は、釣具のリョービというイメージが強いと思いますが、2000年に釣具事業を上州屋に譲渡しています。
上州屋は、商標使用の許諾を得てリョービブランドを展開しています。
一時ゴルフ用品もやっていたようですが、不採算事業となり今は製造販売はしていません。

FDD-1000
最大穴あけ能力:(鉄工)5mm、(木工)10mm
ネジ締め能力:3.8mm
トルク:(クラッチ)20段 0.6〜3.0N・m(ドリル)6.4N・m
チャック能力:1.5〜10mm
回転数:540min-1
電源:単相100V
電流:0.8A
消費電力:70W
質量:0.8kg
サイズ:長さ186×幅59×高さ187mm
付属:ドライバビットが1本

入門用として良いと思いますが、回転数一定で遅く、最大回転力が6.4N・mと非力です。
使い慣れると、物足りなさを感じると思います。

キーレスチャックではなく、チャックハンドルでのビット取り付けなので、刃先の入れ替えに手間が掛かります。
とにかく安くという選択肢なら良いと思います。

FDD-1010KT
最大穴あけ能力:(鉄工)5mm、(木工)10mm
ネジ締め能力:3.8mm
トルク:(クラッチ)20段 0.6〜3.0N・m(ドリル)6.4N・m
チャック能力:1.0〜10mm
回転数:540min-1
電源:単相100V
電流:0.8A
消費電力:70W
質量:0.8kg
サイズ:長さ192×幅59×高さ187mm
付属:ケース、各種ビット数本

FDD-1000に、ケースとドライバ―ビットやドリル刃が付いた、オールインワンセットです。
ビット類が付いていますので、他のものを買う手間は省けますが、付属のビットでは満足できないと思います。
購入して直ぐに使いたい方向けのセットです。
ケース付きは、収納時に便利ですよ。

MDD-10
最大穴あけ能力:鉄工5mm、木工10mm
ネジ締め能力:木ネジ 3.8×41mm
チャック能力:0.8〜10mm
最大トルク:6.4N・m
クラッチ:20段階 0.6〜3.0N・m
回転数:0〜540min-1
電源:単相100V
電流:0.8A
消費電力:75W
質量:0.8kg
サイズ:長さ189×幅59×高さ191mm
付属:ドライバビット1本

トルクはFDD-1000と同じ6.4N・mですが、これはキーレスチャックです。
無段変速回転式なので、トリガーの引き具合によって、回転数の制御が出来ます。

トルクと回転数の能力は低いですが、初心者向けとしては良いと思います。
ケースは付いていません。

CDD-1020
最大穴あけ能力:鉄工 8o、木工 21o
ネジ締め能力:木ネジ 5.1×40mm
チャック能力:0.8〜10mm
最大トルク:(ドリルポジション) 高速 8.3N・m、低速 30N・m
クラッチ:20段+ドリル
クラッチトルク:0.8〜4.4N・m
回転数:高速 0〜1,000min-1 
回転数:低速 0〜300min-1
電源:単相100V
電流:1.8A
消費電力:160W
質量:1.0kg
サイズ:長さ220×幅62×高さ180mm

キーレスチャックで、無段変速回転式です。
ドリル時の低速時トルクが、30N・mありハイパワーです。
回転数が高速・低速に切り替えられます。

ケースは付いていませんが、この価格帯では飛び抜けてパワーのある商品です。
DIYで使うのに丁度良い性能だと思います。

BLACK&DECKER(ブラック&デッカー)


電動ドリルなどの電動工具と掃除機などを作っているアメリカ企業です。

EVO183B1などのヘッドを付け替える事で、1台何役にもなるマルチツールが有名です。
大きめなホームセンターで、メーカーコーナーを見かけるようになりました。

KR151
消費電力:90W
最大トルク:6.9N・m
回転数:0-650(回転/分)
チャック能力:6.35mm
チャックタイプ:クイックコネクト
スイッチ:スピード調節 無段変速
クラッチ:24段
質量:0.8kg
コード長:2.0m
最大能力:木工穴あけ:Φ10mm、金工穴あけ:Φ5mm、ネジ絞め:Φ3.8mm×41mm
付属:ソフトケース、ドライバービット4本、ドリルビット6本、六角軸ソケットビット7本

本体がコンパクトで、ケースやビットが色々付いている全部入りパックです。
キーレスチャックで、ビットの付け買えば楽です。

トルクが6.9N・mしかないので、非力です。
チャック能力は、どれだけの太さのビットに対応しているかという値ですが、固定なのが気になります。

KR112
消費電力:90W
最大トルク:6.9N・m
回転数:0-650(回転/分)
チャック能力:1.0mm-10mm
チャックタイプ:キーレスタイプ
スイッチ:スピード調節 無段変速
クラッチ:24段
質量:0.94kg
コード長:2.0m
最大能力:木工穴あけ:Φ10mm、金工穴あけ:Φ5mm、ネジ絞め:Φ3.8mm×41mm
付属:プラスマイナス両頭ビット2本、ビットホルダー付き

こちらは、KR151より少し本体が大きく、チャック能力が少しだけ良くなっています。
ケースは無く、ビットが少し付いています。

キーレスチャックなのは一緒です。
トルクもKR151と同じ6.9N・mで、非力です。

KR111REKR150BAという型もありますが、もう売って無いです。

日立工機株式会社


日立工機は、プロ用工具を市場に提供してきた歴史が長く、信頼性があります。
残念ながら、ドリルドライバーはコードレスタイプばかりで、電源コード付き商品は極端に少なく高価格です。
電動ドリルなら安価で高性能の機種がありますので、ドリルだけで良いなら選択肢は広がります。

日立工機は、モノによってキーレスチャックとキーチャックがあります。
ビットの取り付けの確実性を得るために、敢えて流行りのキーレスチャック式にしていない型もあるようです。

DS13V
ねじ締め能力(mm):木ねじφ6.8×50ℓ・機械ねじM6
穴あけ能力(mm):鉄工13・アルミ13・木工30・ホールソー35
チャック能力(mm):1.5〜13
最大トルク:22.6N・m
トルクレンジ:22段
回転数(min-1):0〜650
取付チャック:ねじ(U1/2"-20)キーレスチャック13VLRA-N
電流:3.0A
コード:2心・2.5m

トルクもあり能力的には良いのですが、まさかの2万超え!高いっす。

DW15Y
最大穴あけ能力:鉄工10mm、木工15mm
サンダ:ディスクペーパ径130mm
ねじ締め:ボルト6mm、小ねじ6mm、テクスねじ6mm、木ねじ4.5×45mm
ねじ立て:鋼材6mm、アルミ10mm
ネットランナ:ねじ径6mm
チャック能力:1.0〜10mm
電流:3.8A
消費電力:360W
回転数:0〜2600min-1(回/分)
取付チャック:ねじ(U1/2"-20)
チャック:10VLR-D
質量:1.6kg
寸法:幅256×高さ181mm
コード:2心・2.5m
付属品:チャックハンドル・No.2プラスビット・ケース・サイドハンドル

これ1台で穴あけ、ネジ締め、ネジ立てが出来るという優れもので、ドリル根元に固定用のハンドルも付いています。
こっちも2万円くらいします。
値段が高いので1台目としては却下です。

KAKURI(角利産業)


マイナーメーカーですが、昭和21年創業の新潟の会社です。
元は大工道具を作っていましたが、現在はDIY用の電動工具や災害グッズなどの製造販売もしています。

MDD-180
電源:AC100V(50/60Hz)
定格消費電力:180W
定格使用時間:20分
無負荷回転数:0~750min-1(回転/分)
締め付けトルク:1.5〜6.0N・m
コード長さ:1.9m
チャック能力:直径1.0~10mm
ねじ締め能力:木ネジ直径3.2×38mm
穴あけ能力:木工/最大直径10mm、鉄工/最大直径5mm

キーレスで無段回転ですが、トルクが非力です。
低価格なのは、魅力です。

シンコー製作所


新興製作所という企業サイトはありますが、サイト内に商品案内などは見当たりません。
電動工具がどういう扱いなのか良く解らず、正直ちょっと不安なメーカーです。

ACD-280
能力:穴あけ8mm(鉄工)、21mm(木工)・ネジ締め5.1〜40mm(木ネジ)
チャック:1.5〜10mm(キイレス)
回転数:0〜790min-1
最大トルク:14N・m
周波数:50/60Hz
電流:2.8A
コード:2m
質量:1.35kg
標準付属品:ドライバービット×1、ドリルビット×4

低価格ですが、他社のものより若干トルクはあります。
ホームセンターなどに卸している事が多いようです。

EARTH MAN(アースマン)高儀


創業が慶応2年(1866年)の歴史ある新潟の企業です。
建築刃物などを作っていた会社で、今も大工道具を作っています。
現在は、電動工具、園芸用品、キッチン用品など色々なものを自社製品として出しています。

DDR-120
電圧:AC100V
周波数:50/60Hz
電流:0.7A
消費電力:70W
回転数:約0〜500min-1
チャック能力:0.8〜10mm
最大トルク:約7.8N・m(約80kgf・cm)
クラッチ数:5段
サイズ:203×56×168mm
重量:0.95kg
付属品:先端ビット6.35mm、両頭ビット+No.2(65mm)

非常に安価なのに、LEDライト付でキーレスチャックです。

DDR-130
電圧:AC100V
周波数:50/60Hz
電流:1.9A
消費電力:180W
回転数:約0〜760min-1
最大トルク:約12.0N・m(約122kgf・cm)
クラッチ数:5段
クラッチ作動トルク:約1.0〜4.0N・m(約10〜41kgf・cm)
チャック能力:0.8〜10mm
コード長:約2.0m
定格時間:30分
付属品:両頭ビット+No.2(65mm)、交換用カーボンブラシ

こちらは、DDR-120の能力強化版です。
こちらもDDR-120と同じで、LEDライト付でキーレスチャックです。
交換用のカーボンブラシが付いてくるのは、珍しいです。
安価な割にスペックは、良いと思います。

その他メーカー


マキタは、コードレスだけのラインナップです。
パナソニックも、コードレスのみ。
ボッシュも、コードレスのみ。

記載していない聞いた事の無いメーカー製もありますが、性能が比べるまでもなく低いので記載していません。

性能・価格・アフターケアなどを考えると、この1台!


高性能でも価格が高いのは、手が出ません。
それほど頻繁に使うものではないですし、ネジ締め・ドリル工具に1万円も出せません。

お手頃な価格で、DIYをするのに能力不足と感じないトルクパワーがあり、初心者でも簡単に使えるという基準で考えた結果、最初の1台に相応しいのはコレです!

リョービ(RYOBI) ドライバードリル CDD-1020

私が購入した時は6,000円ほどで購入できましたが、今は若干値上がりしているようです。

最大トルクが30N・mというのは、低価格帯のドリルドライバーの中では断トツです。
回転数が高速と低速に切り替えられるので、穴を開ける素材によって選択できます。
クラッチも20段と多すぎず、少なすぎずで、細かく設定できます。
キーレスチャックなので、ビットの付け替えが苦になりません。

付属品のプラスドライバビットが1本付いていますが、おまけレベルのものです。

メーカーがリョービなので、アフターでの安心感もあります。
製造国は中国です。
どのメーカーもほとんど中国製です。
日本メーカー設計なので、爆発する事は無いでしょう。

CDD-1020を使ってみた感想


説明書を軽く読むだけで、使用できました。
特に難しい部分はありません。

おまけで付いてくるドライバービットが入ってない?!と思いましたが、箱の内側の耳にテープで貼り付けてありました。

購入直後に芯ブレを確認しました。
刃を装着して回してみたところ、凄く微妙にですが中心がズレてます。
この価格で精度を求めては、いけないのかも知れません。
使用上の問題がない誤差程度なので、問題ありません。

この機種に関わらず、ドリルドライバーのレビューや感想などに「本体から火花が出る」、「本体内に火花が見える」というのを見かけます。

火花が出るのは不具合では無く、モーターにブラシモーターというものが使われていて、カーボンブラシが当たる部分で火花が出るのが通常です。

火傷するほどの火花が出ている場合は、異常なのでメーカーに問い合わせましょう。
新品はカーボンブラシがすり減っていないので、火花が出やすいですが、暫く使っていると大人しくなります。
私が購入したものは、なぜか全く火花は見えませんでした。

回転数を制御するトリガーが若干軽すぎる感じがしますが、直ぐに慣れました。
正転、逆転のスイッチも押しやすいです。

重量は1kgですが、バランスが良いのかさほど重さを感じません。

音は物凄くうるさくはありませんが、それなりにします。
掃除機より静かなので、夜中でなければ大丈夫でしょう。

1点設計が良くないと思う点は、本体後ろに排気口があるという部分です。
穴をあける場合など、利き手でグリップを持ち、もう一方の手で本体を支えて垂直に押しますが、上から押す時に排気口を手で塞いでしまう形になります。
排気口を塞ぐのは良くないので、違う部分を持って押すしかありません。

ビットを下に向けて本体を垂直に立てた状態で、上部に来る場所に排気口を付けて、熱い空気の上昇で効率良く排気したいのは解りますが、もう少しどうにか出来ない?と感じます。
形状的に本体後ろを押さえるのが、一番押さえ易く安定する場所なので、使い勝手が犠牲になります。

それ以外は、非常に使いやすくパワー不足と感じる事もありません。
本体の質感も悪くありませんが、RYOBIという白いロゴはちょっと擦ると塗料がはがれます。

コードは柔らかく、冬でも固くなりません。
使っていて、邪魔になる事もありません。

専用のケースが無いので、どうしようかな〜と思っていましたが、製品の箱をそのまま使って収納しています。
箱に本体を入れてもギチギチでは無いので、別で買ったドリルビットセットとドライバービットセットも一緒に入れています。

ドライバービットで木材にネジを打ち込みましたが、パワーに余裕を持ったままスルスルと入って行きます。
クラッチが20段あるので、弱い状態にしておいてネジが入らなければ少しずつ強くして行くと丁度良い強さでねじ込めます。
また、回転速度をトリガーにより可変できるのが使いやすいです。

総評は、「買って良かった!」です。

これ1台で、間違いないです。

綺麗にネジを打ち込むコツ


綺麗にネジを打ち込むコツは「下穴を開けるべし」です。
インパクトドライバーに比べるとパワーはありませんが、ある程度の長さのネジなら下穴無しでも余裕で打ち込めます。

しかし、下穴無しで打ち込むとネジの径だけ木を周囲に押しやりますので、耐えられなくなった木の表面が木目方向に引き裂かれます。
0.5mmとか1mm程度の浅い割れでも、ネジ止め部分全部が割れていると目立ちます。

短いネジでも細い下穴を開けておく事により、押しやりが少なくなり割れずに済みます。
下穴を垂直に開けておけば、ネジが斜めに刺さってしまう事も避けられます。
お試しあれ!

posted by ユージュー at 16:23 | Comment(2) | DIY 工具