今回は、NASのHDD交換方法です。
QfinderのHDDの状態で「ディスクエラー」が出ていたら有無を言わずHDDの交換ですが、現状は2台とも「良好」と表示されていますので緊急性はありありません。
NASの記事を読んでくださっている方ならご存知だと思いますが、ウチのNASに入っているHDDは中古の貰い物なのでいつ死んでもおかしくないのは事実です。
RAID1で1番怖いのは2台のHDDが同時にお亡くなりになることです。
「2台のHDDが同時に壊れるのはレアだからHDD交換はどっちか1台エラーが出てからで良いか」と甘く考えてました。
しかし、良く考えるとほぼ同時に壊れる可能性もある事に気が付きました。
HDD付きで売られているNASの中に入っているHDDは同型で同一ロット品が多いようです。
HDDを入れ替えていても同じタイミングで交換する場合は同型HDDにするケースが多いと思います。
今ウチのNASに入っている2台のHDDも同メーカー同型のHDDです。
同じHDDが同じ環境で同じだけアクセスされていれば、劣化タイミングも似たようなものと予測できます。
仮に片方のHDDが壊れたとします。
HDDを交換するまでは問題ありません。
問題はRAID1の再構築!
再構築中は壊れていないHDDからデータをガリガリ読み出して新しいHDDに書き込みます。
大量のデータ読み込みを一気に行うとHDDにそれなりの負荷が掛かります。
同じような使われ方で同じくらい劣化していれば、大量の読み込みが故障の切欠になるパターンが無いとも言えないという訳です。
現状すぐに壊れそうでもないしこのまま使用を続けても問題無さそうですが、クソ忙しい時にHDDが壊れたら困ります。
2台同時に逝ったら焼き土下座してもデータは戻ってきません。
そろそろHDDを容量アップしたいな〜と考えていた事もありますが、何だかんだ言ってHDD交換を決めたのは「HDDが安く買えたから」ってのもあります(笑)
QNAPのNAS「TS-231+」を導入したのが2016年5月なので丁度4年経過しています。
これまでブレーカーが落ちたり停電などで数分UPSからの給電された際にPCから見えなくなった事が2回ほどありました。
(UPSからの給電で必ず見えなくなるわけでは無いです)
その時は焦りましたが、NASの再起動で問題なく認識されました。
データが飛ぶような事も起こっていません。
これ以外のトラブルは無く、NASとして非常に優秀だと思います。
今ならTS-231Pがお買い得です。
TS-231+よりCPUなどがパワーアップしていますね。
当記事はQTS4.2.0でのHDD交換方法となります。
バージョンアップしろよ!って感じだけど不具合も不満も無いのでやっていません。
異なるQTSバージョンではボタン位置や名称が違う可能性があります。
HDD交換でやる事は大きく変わらないと思いますが、バージョンが異なる方は参考程度に見てください。
HDD交換前にとりあえず状態を確認!
必須ではありませんが一応HDDの状態を確認しておきます。
【コントロールパネル】→【システム設定】内の【ストレージマネージャ】を選択。
ストレージマネージャのウインドーが開きます。
左にある項目内からに【ディスク】をクリック。
するとこんな画面になります。
今回はHDD不良による交換では無いので「良好」と表示されています。
左側にディスク1、ディスク2という文字があるので文字をクリックするとそのHDDの状態を確認できます。
NAS画像のHDDの場所(選択しているHDDは緑色にハイライトされる)をクリックしても切り替えが可能です。
NASに何かしらエラーがある時はQfinderトップ画面のステータスにエラーマークが出ます。
ログインしなくても解るので時々チェックしときましょう。
HDD交換するために必要なもの
用意するのは「交換するHDD」と「プラスドライバー」です。
ドライバーはHDDをHDDトレイにネジ止めするのに使います。
今回は2ベイ交換するので同じ容量のHDDを2台用意しました。
RAID1は片方のHDDを大容量にしても小容量HDDをベースにミラーリングします。
一部の記憶領域が無駄になっても構わないのであれば問題ありませんが、2台のHDDを同容量にすると無駄がありません。
以前PC用に購入したウエスタンデジタルのWD20EFAX-RTが静かで発熱もそれほど無いので今回も同じシリーズにしました。
購入したHDDは、WD30EFAX-RTで2020年2月発売の新型です。
新型と言っても前から出ているHDDの容量違いなので設計は変わらんと思います。
本当は4TBが欲しかったけど、3TBがクーポン使用で安くなったので2台ポチりました。
HDD価格は波があるので安い時期に買いましょう。
ホットスワップ機能を使ってHDDを交換
TS-231+にはホットスワップという機能があります。
ホットスワップと聞いて変なことを想像した人は心が穢れてます(笑)
ホットスワップというのは、NASの電源を入れたままHDD交換できる機能の事です。
でも、いきなりHDDを抜き差ししたらダメですよ!
交換手順は以下の通りです。
HDD交換は【コントロールパネル】→【システム設定】→【ストレージマネージャ】→【ストレージ領域】から行います。
右上の[管理]ボタンをクリックすると、容量、空きサイズなどが表示されている「DataVol1管理」というウインドーが開きます。
右側にある[管理]ボタンをクリックすると選択肢が出てくるので1番上にある「容量の拡張」を選びます。
「容量の拡張」という言葉からHDD交換とは関係無さそうですが、HDDを入れ替えはこの「容量の拡張」から行います。
QTS4.2は表記が解りづらいですが、QTS4.3くらいからは【ストレージ/スナップショット】という項目が追加され、[管理]ボタン内に「ディスクを1台ずつ交換する」という項目ができたようです。
「容量の拡張」を選ぶと「ハードドライブを1台づつ交換する」というウインドーが表示されます。
交換したいHDDのドライブをクリックすると選択ドライブがグレー色になります。
ドライブを選んだら、左上にある[変更]ボタンをクリックします。
すると説明欄に「このドライブを取り外してください。」と表示されます。
ここでHDDをNASから取り外します。
抜くHDDは先ほど指定したドライブです。
間違えないようにしてください。
NASからHDDを抜くとNAS本体上部にあるLEDが赤点滅して、ピー、ピー、とブザーが2回鳴ります。
数秒後「新しいドライブを挿入してください。」と表示されます。
このメッセージを確認したら新しいHDDをNASに挿入します。
「新しいドライブを挿入してください。」メッセージが表示されるまでの数秒間に新しいHDDを入れると不具合が出るようです。
焦らす慌てず、メッセージが切り替わるのを待ちましょう。
新しいHDDをNASに入れると「ディスクが検出されました」というイベント通知がQTS画面右下からポップアップされます。
それと同時にNAS本体からピー、ピー、と2回ブザーが鳴ります。
続いてボリューム再構築が自動的に始まり、再度ピー、ピー、と2回ブザーが鳴ります。
HDD容量や空きサイズによって再構築される時間は変わります。
今回は3時間ほどで終わりました。
HDD容量が大きく多くのデータが入っていると1日で終わらない可能性もありますので気長に待ちましょう。
データが少ない方が早く再構築できるし、HDD入れ替え時に何かしらのアクシデントでデータが飛ぶ可能性もあります。
私はHDD入れ替え前に大事なデータをバックアップを兼ねてPCに退避させました。
コピーする手間と時間やHDD容量によってはNASに任せた方が良い気もしますが、バックアップをせずに後悔したことがあるので念のため。
再構築中は「DataVol1管理」ウインドー内に黄色い!マークと「再構築中」という文字が表示されます。
QTS画面の右上にある「実行中のバックグラウンドタスク」をクリックすると、現在どれくらい再構築されているか確認できます。
再構築処理はバックグラウンドで進むのでQTSウインドーは閉じても構いません。
もちろん開きっぱなしでも問題ありませんし、放置して寝てしまっても良いです。
再構築が完了するとピー、ピー、というブザーが2回鳴り、「ボリュームを再構築〔RAID Group1〕が完了しました。」というイベント通知がQTS画面右下からポップアップされます。
NAS本体の赤LED点滅も再構築が終わると消えます。
少し待つと「DataVol1管理」のステータスが「警告」から「準備完了」になります。
容量の大きいHDDに変更してもこの時点で容量や空きサイズの数字は変わりません。
これは後ほど解決するので問題ありません。
最後に一応HDDの状態を確認しときましょう。
【コントロールパネル】→【システム設定】→【ストレージマネージャ】→【ディスク】でHDDの状態が「良好」である事を確認。
これで交換作業は終わりです。
2台目のHDDも同じ手順で交換しました。
実は2台目のHDD交換をホットスワップ機能を使わずやってみました。
NASの電源オフ→HDD入れ替え→NASの電源オンという方法です。
ネットにはこの方法でNASがHDDを自動認識して再構築してくれるとありましたが、なぜかQfinderに表示されるNAS表示部分のステータスにエラーが出て上手く行きませんでした。
電源を切ってHDDを入れ替えた方が安全性は高いらしいですけどね・・・
余計な事で時間を費やしたくなかったので原因は突き止めていません。
NASやQTSバージョンの違いで出来ないのかも。
HDDを交換したら「容量の拡張」を忘れずに!
HDDは2台とも1TBから3TBに変更して、再構築が終了しています。
しかし【コントロールパネル】→【システム設定】→【ストレージマネージャ】→【ストレージ領域】で「DataVol1管理」を確認すると容量、空きサイズ共に増えていません。
HDDを交換すれば自動で容量が増えてくれれば楽なのですが、増えた分の容量は拡張してあげねばなりません。
「容量の拡張」と「ボリュームの拡張」は違うものなので間違わないように!
「ボリュームの拡張」は、ストレージプールの空き容量を拡張して使用領域を増やす時に使います。
ストレージプールは、多くの物理ディスクを1つの大きなストレージ領域にまとめる機能です。
複数ボリュームを管理したいとか、スナップショット機能を使いたい場合はストレージプールを作ってシックボリュームかシンボリュームにします。
詳しく知りたい方はこちらを読んでくださいな
今回は交換したHDDの容量を無駄なく使いたいだけなので「容量の拡張」をします。
【管理】→「容量の拡張」をクリックしてRAIDグループの拡張ウインドーを表示させます。
下の方に「拡張できるRAIDグループ容量は約:2.721TB」と表記されています。
1TBのHDDを3TBにしたので容量は増えているけど使っていない領域が約2.7TB分があるという事です。
下の方に【容量の拡張】ボタンがあるのでクリック。
すると「拡張を実行しますか?」という確認メッセージが表示されます。
[OK]をクリックすると容量の拡張処理が始まります。
NAS本体からピー、ピー、とブザーが2回鳴り、LEDが赤く点滅し始めます。
「ボリュームの同期化が開始されました」というメッセージがポップアップされます。
ボリューム再構築の時と同じでバックグラウンドタスクに「RAIDグループ:同期中」と表示されて進行度を確認できます。
数時間後、「RAID容量を拡張が完了しました」というポップアップと共にブザーが2回鳴って赤いLED点滅が消えました。
これで容量の拡張は完了です。
908GBだった容量が2.68TBになりました!
容量の拡張はHDDの容量を増やした時に必要な作業です。
同じ容量のHDDを入れ替えるだけなら必要ありません。
もっと早く終わると思ってましたが、なんだかんだで2日くらいかかっちゃいました。
ずっとやってたわけじゃないですけどね・・・
ホットスワップでのHDD交換は簡単ですが、再構築や拡張に時間が必要なので余裕のある時にやった方が良いと思います。
再構築も容量の拡張もバックグラウンド実行してくれるので途中操作は必要ありません。
放っておいて気が付いたら終わってる感じです。
今回購入したHDDはフォーマットせずにNASに突っ込みましたが問題ありませんでした。
HDD交換後の感想ですが、以前の貰い物HDDより明らかに静かです。
前のHDDは起動時にキュイーンと鳴っていましたが、そういった起動音は無くなりました。
ただ稀にグヮンという聞き慣れない音がしたり、静かな夜中はアクセスするとココッという小さな音も聞こえます。
これらの音はNASのケースがHDDの振動を拾っている可能性もあります。
PCケースと違いNASのケースは防音性が低いので多少音が聞こえてしまうのは仕方ないかな。
決してうるさいわけではなく通常は耳を澄まさないと聞こえないくらいの音です。
書き込みや読み込みが早くなったので使い勝手はまずまず。
最後に一言。
HDD交換する際は、NASの掃除もしましょう!
滅多に掃除しない機器なので、HDD挿入口付近にかなり埃が溜まってました・・・
以上、NASのHDD交換方法でした!
参考になれば幸いです。
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NASの設定が合っているのか分らなかったので、
こちらの記事が大変参考になりました。
ありがとうございました。
「QNAP NASのホットスワップ機能でHDD交換」の
記事で少し気になったことがありました。
ご存知かと思いますが、交換用に使用された
「WD RED 3TB」は「SMR方式」のため、NAS用には
耐久性などの面から不向きとの話があります。
そのため私は「CMR方式」の「WD RED Plus 3TB」
使用しました。
次のHDD交換用には、ちょっと高額ですが
「WD RED Plus」を使用されてはいかがでしょう。
HDD情報ありがとうございます。
高額と言っても目が飛び出るほど高くはないので次は検討してみます!
HDD交換してから1年以上経ってますが今のところ問題は起きていないことはご報告させていただきます。
設定画面が古いQTSバージョンで申し訳ないです。
今はもう最新にしてますが、記事全ての画像を貼りなおすのが厳しいので内容を読み替えて観てください。