先日、パソコン周辺からピーッピーッという警告音が鳴り響きました。
聞いた事がない音に驚き慌てて確認すると、ピーピー鳴っているのはオムロンのUPSでした。
今回は、互換UPSバッテリーの比較、UPSバッテリーをタダで入手する方法&交換方法です。
使用済みの廃バッテリーもタダで引き取ってもらうための情報もあります。
音はUPSから出ていましたが、正面パネルにあるLEDの状態表示を見ても通常運転の「On」表示のままです。
しかし、ずっとピーピーというブザーが鳴り続けています。
良く見ると「バッテリ交換」という文字の横にあるランプが点滅していました。
初めて見る状態なのでどうすれば良いか解りませんでしたが、警告音がうるさいのでランプ下にある「ブザー音停止/テスト」というボタンを押してみたところブザーが止まりました。
ほっと胸を撫で下ろし、説明書を確認。
どうやら定期的に行われるバッテリテストで、バッテリ劣化が検出されたようです。
対処方法は、バッテリーの交換と書いてあります。
「まだ2年しか経ってないのに!?」
説明書には、周囲温度が20℃なら期待寿命は4〜5年、周囲温度が30℃なら期待寿命が2〜2.5年と書いてあります。
UPSを置いている部屋は、常にエアコンが稼働しているので真夏でも室温が30度を超える事はありません。
UPSが活躍したのは、不注意でブレーカーを落としてしまった時や悪天候で停電した時など年に2〜3回あるかないかです。
UPSの蓄電を使い果たした事は1度もありません。
そんな環境で、2年でバッテリーの寿命が来るのはちょっと短すぎます。
オムロン純正バッテリーは高い!
バッテリー交換しないと、またいつピーピー鳴りだすか解りません。
交換用バッテリーを検索すると、BY50S用のバッテリーは「BYB50S」というものでした。
ネットショップで調べると、安くなって8,500円前後です。
高いなぁ・・・
また2年でダメになったら1年4,000円以上という計算になります。
急に停電が起きた時にセーブできるメリットを考えたら決して高くはありませんが、もっと安くならんものか・・・。
製品に内蔵されているバッテリーは、パナソニック製のLC-P127R2NA1という型式で12V7.2Ahのものが入っているというブログがありました。
バッテリーに貼られたオムロンの注意書きが書かれたシールをはがすと確認できる模様です。
パナソニックのサイトにLCシリーズというバッテリーがありました。
産業用電池という扱いで、残念ながら日本での一般販売は無いようです。
海外のアマゾンでは売ってますけどね・・・
私のUPS本体に入っていたバッテリーを取り外して確認したところ、パナソニック製ではなくCSB製でした。
GPL1272F2FRという型式で、12V7.2Ahと記載されています。
CSB Battery(Vietnam) Co., Ltd.と書かれており、生産国もベトナムです。
ベトナム製のCSBバッテリーは、ユタカ電機製作所の一部のUPSにも使われていたようです。
日立化成株式会社の子会社であるCSB Battery Co., Ltd.は、台湾神戸電池股份有限公司の英語名です。
台湾神戸電池股份有限公司は、2016年10月に日立化成能源科技股份有限公司(英語名:Hitachi Chemical Energy Technology Co., Ltd.)と社名変更されています。
それに伴い、CSB Battery(Vietnam) Co., Ltd.も、Hitachi Chemical Energy Technology (Vietnam) Co., Ltd.となっています。
日本では、福岡県北九州市にある株式会社ナカノがCSBの販売代理店となっています。
UPSに内臓されていたバッテリーには、ペラペラの薄いプラカバーがビニールテープで貼り付けられていました。
テープをはがすと、2枚のプラカバーが貼られていたのが解りました。
小物の電気製品の周りに緩衝材として商品形に窪んだペラペラの透明プラがよく使われていますが、それと同じものです。
何かの理由で端子が外れた時にショートしないようにするためか、端子から火花が出た時の防御壁なのかは判りませんが、オムロンがバッテリーに追加しているプラパーツです。
無くても問題無さそうですが、他社製の互換バッテリーにする時は再利用しましょう。
お安い互換バッテリー
安く済ますなら他社製の互換バッテリーです。
他社製バッテリーでも、同じ規格なら使用できます。
本体の大きさ、端子形状と位置、ボルト、アンペアアワーに大きく違いがないバッテリーを選びましょう。
正規品のBYB50Sの端子形状は、F2(ファストン端子No.250)というものなので、同じ形状を探してください。
Ah(アンペアアワー)は、Ah=電流(A)×時間(h)で計算されます。
例えば、8Ahのバッテリーなら、8Aの電流を1時間流せる電気を蓄えている事です。
どれくらい電気を取り出せるか?なので、Ahが少し大きくても問題ないとされています。
バッテリーには、スターターバッテリーとサイクルバッテリーがあります。
スターターバッテリー(クランキングバッテリーとも呼ばれます)は、エンジン始動時に大きな電流を供給することを目的につくられたバッテリーです。
サイクルバッテリー(ディープサイクルバッテリーとも呼ばれます)は、少量の電流を長時間供給する能力に優れていて、繰り返し放充電が可能なバッテリーです。
両方の特性を持ったマリンバッテリーというのもあります。
UPSに使うバッテリーは、サイクルバッテリーです。
違う用途のバッテリーを買わないように!
LONG:WP8-12「WP1236W」
サイズ:横幅151mm×奥行65mm×高さ94mm
LONGは台湾の会社で、台湾製もしくはベトナム製になります。
ISO9001国際品質保証規格に適合しており、日本以外のAPC社製UPSに採用されています。
日本向けUPSに使われないのは、規格の問題など大人の事情みたいです。
12V9Ahなので、純正より少しAhが増えますが問題なく使えるようで、実際に使っている方のレビューも多くあります。
LONGバッテリーは、安さが魅力です!
SUPER NATTO:12SN9
サイズ:横幅151mm×奥行64mm×高さ94mm
こちらも12V9Ahですが、使っている方が多いです。
ISO9001:2000/CE規格/UL規格という複数の国際品質規格を取得しています。
こちらも非常にお安いです!
SUPER NATTOは、福岡にある南進貿易株式会社が台湾やベトナムで生産している独自ブランドです。
南進貿易の設立が2010年で割と新しい会社ですが、品質の良い互換バッテリーを安価で販売しており人気があり、評判もそこそこ良いです。
2017年からはLONGバッテリーの正式代理店になっています。
LONG「WP1236W」とSUPER NATTO「12SN9」はスペックがほとんど同じです。
両方扱っている南進貿易さんに2つの違いを聞いてみました。
「どちらも同一規格で作られており、サイズ・容量・寿命などに違いは無く同じように使えます」と返答をいただきました。
LONG社製か、南進貿易社オリジナル製かというメーカーの違いはありますが、中身は同じみたいです。
似ているはずですね・・・
台湾ユアサ:NP7-12/NPH7-12
サイズ:横幅150mm×奥行64mm×高さ94mm(全高97.5mm)
台湾ユアサは、GSユアサではないので間違えないようにしてください。
品質は日本のGSユアサの方が上だと思います。
12Vの7.0Ahなので純正より微妙にAhが低いですが、商品説明にGPL1272F2FRと互換があると書かれており、問題なく使えているとのレビューもあります。
価格は、純正の半額くらいです。
日立化成(旧:新神戸電機):HF7-12(250)
サイズ:横幅151mm×奥行65mm×高さ94mm(全高100mm)
こちらも12V7.0Ahです。
安心の日本製です。
純正より若干安いですが、他の互換バッテリーよりは少しお高いです。
日本製にこだわる方で少しでも安くしたい場合は良いと思います。
台湾GS:PE12V7.2
サイズ:横幅151mm×奥行65mm×高さ102mm
12V7.2Ahで、純正と同じです。
価格は純正の半値ほど。
上記の他に、CSBのGP1272F2やBB BATTREYのBP7-12というバッテリーも使えそうですが、純正買った方が安いです。
GSユアサ製のPE12V7.2やPXL12072、RE7-12(代替機種PXL12072J)という製品がありますが、高価格でネットではほとんど見かけません。
古河電池の12m6.5というバッテリーも12Vの7.2Ahですが高価格です。
私が調べた限りオムロンのBY50Sに使えるバッテリーは、こんなところです。
安価なバッテリーは純正と違い、安かろう悪かろうという事も・・・
バッテリーに限らず、互換品は純正品ほど質が良くない可能性があります。
これまでポータブル機器用に色々なメーカーの互換バッテリーを購入して感じたのは、当たり外れが激しいという事。
特にリチウム電池の当たり外れは大きく、すぐ充電できなくなるとか寿命が早いとかが普通にあります。
中には1回しか使えなかったものもありました。
サポートがしっかりしていないメーカーだと、売りっぱなしで初期不良交換連絡をしても返事がなかったりします。
何の連絡もなく、忘れた頃に突然代替品が送られてきた事もありました。
UPS用バッテリーは、昔ながらの鉛蓄電池なのでそれほど品質に違いは出ないはずですが、安価なものは純正より寿命が短いというレビューを見かけます。
熱に極端に弱いとか、数年使っていると膨張するというレビューも時々見ます。
爆発はしないと思いますが、多少のリスクは覚悟の上で購入しましょう。
UPSに最初から入っていたCSBバッテリーも互換バッテリーと大差ない気もしますが(笑)
互換バッテリーは安価なので、寿命が半分でも価格が半値以下ならコスパが高いです。
モノによっては1年ごとに交換しても結果的に純正より安くつく可能性があります。
4〜5年使えている方も居るようですが、2年使えたらラッキーくらいに思っていた方が良いでしょう。
オムロンのバッテリ無償提供サービス!
安さと性能からLONGのWP1236W、SUPER NATTOの12SN9が良さそうです。
もしくは元々入っていたGPL1272F2FR互換と記載のある台湾ユアサのNP7-12かな〜と考えていました。
使用済バッテリーをオムロンに引き取ってもらうための手続きを調べるためにオムロンのサイトを眺めていたところ、凄いサービスを発見!
UPS本体購入から1ヶ月以内の愛用者登録で、バッテリ無償提供サービスが適用されます。
購入時に愛用者登録しといて良かった・・・
取扱説明書に従った正常な使用状態でバッテリの無償提供期間内にバッテリが劣化して、UPS本体のバッテリ交換ランプが点灯した場合に交換バッテリを無償提供をしてくれるという素晴らしいサービスです。
「3年保証+バッテリ無償提供3年」の機種に限るという事で、BY50Sの商品ページを確認すると対象機種でした!
この素敵なサービスを使わない手はありません!
本体に3年保証があるのは覚えていましたが、バッテリ無償提供サービスは記憶にありません。
もしかすると購入前に読んでいたのかもですが、すっかり忘れてます(笑)
何のために互換バッテリーを一生懸命調べたのか・・・
でもまぁ、ポチる前に気が付けてよかった。
APC社のUPSで同じくらいの容量であるRS550(BR550S-JP)にもバッテリーを含めた保証があります。
以前は、2年保証でしたが現在は3年保証に延びています。
オムロンの3年保証が影響したのかも知れませんね。
次のような場合は、無償提供期間内でも有償となります。
・使用上の誤り、及び不当な修理や改造による損傷、劣化
・お買い上げ後の落下などによる損傷、劣化
・火災、又は天災による損傷、劣化
・損傷、劣化の原因が本製品以外に起因する場合
・ご愛用者登録が行われていない場合
・無停電電源装置(UPS)本体のバッテリ交換のランプが点灯していない場合
・サイクル使用による劣化(サイクル使用とはバッテリの充放電を頻繁に行うような使い方をさします)
・高温環境下でのご使用による場合
私の使い方で有償になる原因はありません。
今回のバッテリー警告が出るまで、2年間一切トラブルはありませんでした。
「バッテリ無償提供サービスのお申し込み」ページ中央の黄色いボタンをクリックすると申し込みフォームが表示されます。
住所、氏名、電話番号、メールアドレスなどを入力して申請しました。
適用条件や状況確認の連絡が来る場合もあるようなので、連絡先は間違いないよう記載しましょう。
申し込みをした翌日申請が認められ発送予定メールが来ました。
申請から2日で交換バッテリーを発送してくれるとの事です。
いつまたバッテリ交換の警告音が鳴るか解らない状況なので対応が早くて助かりました。
バッテリ交換ランプが点灯していないのに申し込むのは絶対ダメです!
虚偽申告でバッテリーを手に入れようとしただけで詐欺罪になる可能性があります。
長くなったので一旦切りますが、引き続き次の記事をご覧ください。
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大変役に立ちました。
ありがとうございました。
お礼を言いたかったので。
お役に立てたようで何よりです。
サイト拝見いたしました。
ヤギ可愛いですね〜!