木材を塗装したりニスを塗る前には、木の表面を綺麗にヤスリがけしなければなりません。
木の表面をスベスベにしておかないと、ニスを塗ってもザラザラした仕上がりになります。
カンナがけされた木材も表面が綺麗な集成材も、塗装する前に下地処理としてのヤスリがけは必要です。
ヤスリがけで厄介なのが木の粉です。
今回は、作業室を持っていない私がたまにやる即席ダンボール作業部屋の作成方法です。
私が住んでいるのは大都会ではありませんが、そこそこの住宅街です。
DIY出来る程度の屋外スペースはありますが、春夏は蚊が出るので快適に作業出来ません。
蚊に刺されると酷く腫れるタイプなんです・・・
寒い季節なら蚊は出ませんが、ヤスリがけする音は近所迷惑になります。
DIYの最大の敵は音なのかも知れません(笑)
電動サンダーなんてもっての外です。
ハンドサンダーを使い、手動で静かにヤスリがけをする訳ですが、木の粉が半端なく出ます。
集塵機があれば粉塵に悩まされなくて済みますが、たまにしかやらないヤスリがけのために数万円は出せません。
仮に買えたとしても音が気になり使えないでしょう。
最近の無段階調節式集塵機は、かなり静かになっているようですけどね。
ちょっとした木材を切るとかヤスリがけなら、短時間で済むので玄関先や駐車場でやります。
普通は室内ではやりませんが、天気が悪いと部屋に新聞紙を敷いてやる場合もあります。
小物は室内でも大丈夫ですが、大きい木材の加工は木くずや粉塵が大量に出ます。
近所に空き地や公園があれば良いのですが、住宅街は意外と木材加工する場所がありません。
そもそも大きな板を抱えて公園に行くのが不可能な場合もあります。
1度、部屋中に養生シートを敷いて板を何枚もヤスリがけした事があります。
見事に部屋が木の粉まみれになりました。
拭いても拭いても木の粉が家具に降り積もり、掃除がマジ大変でした(泣)
道具が揃っている自宅で作業出来れば効率が良いです。
室内なら天気を気にしないで済みます。
なんとか室内で作業できないか考えた末、室内に簡易的な木工室を作ることにしました。
ダンボール木工作業室を作るための材量
部屋の中にダンボールで、ミニ工作室を作っちゃいます!
材量として使うのは、ダンボールとガムテープと養生シートです。
どれも安くて良いでしょ?
ダンボールは、近所のスーパーなどで貰えるのでタダです。
オススメは大きめなドラッグストア!
ドラッグストアは、トイレットペーパーや紙おむつなど大きなダンボールで搬入される商品が多くあります。
なるべく大きなダンボールを4〜5箱分貰ってきましょう。
大型スーパーに入っているドラッグストアも、言えばバックヤードから出して来てくれます。
品出し中の方に声をかけると話が早いです。
ほとんどの店はダンボールゴミを有料で廃棄業者に引き取ってもらっています。
客が廃棄ダンボールを持って行ってくれればゴミが減り、僅かながら経費の節約になります。
と言っても、手間を考えると店のサービスに近いと思いますけどね。
店員さんの仕事の邪魔をする事になるので、貰ったら丁寧にお礼を言いましょう。
ガムテープと養生シートは買ってください。
ガムテープも養生シートもホームセンターに行けば数百円で購入できます。
簡易木工作業室のの作成
どんな大きさにするかは、加工する材料の大きさと部屋の広さ次第です。
ウチは部屋が狭いので、1.5m×2mくらいの広さが限界です。
先ず、柱となる骨組みを作ります。
ダンボールを細長く切り、三角形に折るか丸めるかして強度のある棒状パーツを6本作ります。
棒状に折ったらガムテープを巻いて固定します。
これが縦の柱になるので、同じ長さにしましょう。
次に天井の柱になる棒を、同じ要領で3本作ります。
この棒が工作室の横幅になります。
柱用の棒と天井用の棒をコの字になるように組み、周りをダンボールで囲って行けば部屋が出来ます。
きったない絵で申し訳ありません・・・
地面、横、奥にダンボールを貼って壁にします。
手前は入口になるので下半分だけを塞ぎます。
天井は光が入るようダンボールは貼らず、養生シートを貼って屋根にします。
角に隙間が出来たら、そこもガムテープで塞いで、粉塵が漏れないようにします。
このダンボール部屋で、ヤスリがけ時の粉塵がある程度は防げます。
ただ、木の粉は非常に軽くヤスリがけ中に空中に舞います。
そこで排気装置を取り付けます。
使うのは、ご家庭にある扇風機!
奥の壁に扇風機と同じ大きさの穴を開けます。
扇風機の周りにダンボールを巻き付けて、作業室の穴と合体させます。
扇風機に巻き付けたダンボールをダンボール部屋に突っ込んだら、ガムテープで固定します。
扇風機に巻いたダンボールを穴に少し突っ込み、作業部屋側からハサミで数センチごとに切り込みを入れ、広げてやると固定しやすいです。(下の写真を参考に)
扇風機の後ろのモーター部分に熱を逃がす排気口が開いています。
そこに粉塵が入ると扇風機が壊れる可能性があります。
不織布の扇風機カバーが100均やホームセンターで売っています。
1枚は通常通り扇風機の背面に付け、もう1枚使って扇風機の後ろにある出っ張ったモーター部分を覆うようにしてください。
扇風機の送風方向を窓に近付けて、屋外に粉塵が排出されるようにします。
ダンボール作業室の入口を半分ほどしか塞がなかったのは、出入りのためもありますが空気の取り入れ口が必要だからです。
実際のダンボール木工室を中から撮影した写真です。
全体像が写せてなくてスミマセン・・・
制作時間は30分くらいかな。
寸法を測らず、超テキトーに作ってますので、そんなに時間は掛かっていません。
柱も定規を当てずにカッターで細長く切ったダンボールを、三角形に折ってガムテープで留めているだけです。
作業中に崩れないよう、ガムテープをベタベタ貼って固定しています。
とっても雑で汚い仕上がりですが、使えれば良いのです!
作業が終わったら畳んで捨てますから(笑)
ダンボール工作室を見た子供が「自分の部屋にする!」と言ってしばらく遊んでいました。
「作業できねー!」と思いましたが、滅多に作らないのでしばらく遊ばせてやりました。
子供は狭いところが好きですよね〜。
ダンボール木工作業室の実力
作業する際は、このダンボール部屋の中にビールケースを入れて作業台にしています。
机代わりの台があると作業が楽になります。
この部屋の中で木材を切ったりヤスリがけをしても、木の粉が入り口側に出てきません。
扇風機で空気の流れを作っているので、空中に舞っている粉塵が全て扇風機の方に吸い込まれていくか、下に落ちて溜まります。
作業が終わるころには、扇風機に付けた不織布が木の粉で黄色くなりますが、不織布のお陰で扇風機にダメージはありません。
部屋全体を養生シートで覆っても、非常に細かい粉塵は数時間空中を舞うので半日もするとホコリのように家具に粉塵が積もります(実際に経験済み・・・)
また、どんなに丁寧に養生シートを片付けても軽い粉塵が舞ってしまうので、結局部屋に粉塵が残ります。
粉塵をこの工作室の中に閉じ込める事で、部屋を汚さずに済みます。
作業中はダンボール部屋の中で木の粉が舞いますので、防塵マスクとゴーグルは必須です。
100均の防塵マスクでも十分なので、必ず着用してください。
普通の風邪用マスクで代用も出来ますが、確実に密閉される防塵マスクの方が安全です。
木の粉なんて大した事ないと考えていると肺がおかしくなりますよ!
見えない大きさの粉塵も舞いますから。
安全ゴーグルも100均で見た事があります。
なるべく顔との隙間が出来ないものを使いましょう。
そもそも部屋の中でやるのが間違っている!
そもそも、部屋の中で木工をやるのが間違っています。
しかし、多くの方は作業室が無いのが現実では無いでしょうか。
DIYをされる全ての方が作業ルームを持っているとは思えません。
庭があっても切り粉をまき散らしたり、音が出せない環境もあるでしょう。
ご近所さんが頻繁にギコギコ、ガリガリ、チュイ〜ンとやっていたら私でも文句を言いたくなります。
住宅は木工所ではありません。
ダンボール作業室からの排気には、僅かに粉塵が含まれるはずです。
ほとんどの粉塵は不織布にくっつきますが、目に見えない粉塵は排出されると思います。
扇風機が向いている窓のすぐ近くに家がある場合は、壁を作るなどして粉塵をまき散らさないよう気を付けてください。
洗濯物が干してある場合は、木屑が付くので諦めてください。
住宅地でのDIYは、周りの迷惑にならない範囲で楽しみましょう。
特に音や振動は、近所迷惑になりがちです。
ダンボール工作室を作ろうとすると、それなりに手間が掛かります。
1度作ると要領が解るので、2回目からは簡単に作れるようになります。
大きめな棚板を何枚もヤスリがけするなど、まとめて作業する時には良いと思います。
近所の公園でやるのも手ですが、公共の場所での作業には色々な障害があります。
「何作ってるの?」と近所の子供が集まって来るので、相手をしなければなりません。
近所に住む御意見番が「うるさい!」と文句を言ってくる場合もあります。
以前、公園で木を切ってたら、フラフラ歩いて来たおじさんに木片を持って行かれそうになった事があります。
「ちょっ、持って行かないで!」と言うと「要らないのかと思って」と言ってました。
人の木を何も言わず持って行こうとするとか、ホントわけ解らんです。
窃盗だっちゅーの・・・
このように、いろんな方が出現するので油断は出来ませんが、自宅よりは気を使わなくて良い面もあります。
ホームセンターで工作室を一般に開放している店舗もあります。
近所にそういったサービスをしている店舗があるなら活用しましょう。
工作機械を貸してくれるところもあります。
公園も空き地もホームセンターも近くにない、庭も無くてDIYできないという方は、今回ご紹介したダンボール工作室を作ってみてはいかがでしょうか。
今回は削り粉を漏らさない作業部屋を作りましたが、木工作業をしていると下に削りくずや木の粉が溜まります。
それらの粉塵を吸い取る集塵機があると完璧です。
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