そして今回、記事の続きがあるって事は・・・・
そうです!
異音は直りませんでした〜!パチパチ
いや、パチパチじゃねーよ!
サービスマンが振動対策を2回やりましたが、異音は鳴り続けています。
がっくし・・・
どのような状況で異音が鳴るか、おさらいです。
冷房時に設定温度まで室温が下がるとエアコンは節電モードになり冷媒の循環を抑えます。
しばらくして室温が上がってくると、今度は冷媒を回して冷たい風を送り出します。
この冷媒がほとんど動いていない状態から冷媒を回しだす際に、シュ〜っという音(エアコンの溜息)が室内機から聴こえ、それと同時にガラガラという異音が出ます。
異音は、エアコンの溜息が出る時しか鳴りません。
異音の音質から室内機のどこかが振動していると予測されます。
サービスマンが、揺れる可能性がある場所に防振剤を咬ませました。
念のため室内機を分解して、外装裏やコンセントケーブルまで防振対策をしました。
出来る限りの振動対策をしていただきましたが、残念ながら音質・音量・鳴るタイミングなど、対策前と後で変化はありませんでした。
異音原因は、防振剤では抑えられない部分にありそうです。
対応してくれているのは、空調事業本部の責任者から「彼なら間違いない」と指名されるほど腕が良いサービスマンです。
説明もしっかりしてくれますし、作業も非常に丁寧でプロ意識を感じる方です。
そんな腕利きサービスマンが「これ以上できる対策は無いです」と音を上げました。
「長年エアコンに携わってきて、こんな事は珍しい」と言ってました。
それほど不可解な異音なのでしょう。
これまでのエアコン修理・交換の履歴
これまでの経緯を整理してみます。
・エアコン買い替え
某大手メーカーのエアコンを購入して設置
モーターの振動が部屋中に反響して、うなり音が発生!
メーカーサービスマンに見てもらう
↓
・メーカーサービスマンの勧めにより不具合として返品
同メーカー製は同じ不具合が出そうなので、追加料金を支払いビーバーエアコンに交換
↓
・三菱重工ビーバーエアコンSRK22SR(2014年型)を設置
半年は何事もなかったが、室内機のシロッコファンからカタカタという異音が発生
修理依頼
↓
・修理で訪れたサービスマンにエアコンを破壊される!
相談の結果、室内機ごと交換する事に
↓
・三菱重工ビーバーエアコンSRK22SRの室内機だけ2015年型に交換される
数カ月後、ルーバーが上下する際にギギギィ〜という異音発生!
修理依頼
↓
・ルーバーパーツに不具合が見つかり、パーツ交換
ルーバーからの異音は消える
↓
・数カ月後、冷房時に冷媒ガスが動き出す時だけ室内機内部からガラガラ音発生!
修理依頼
↓
・緩衝剤などで振動対策を行うが、異音は解決できず!
ざっくりですが、故障と修理はこんなところ。
ここまで約1年半かかっています。
酷いサービスマンが修理に来て壊すという事故もあったので、異音トラブルだけではありませんが、このエアコンに関してはトラブル続きです。
もう1台あるビーバーエアコンは1度も問題が起きていないので、このエアコンがハズレ個体なのか、この型式だけ品質が悪いのか?
特に変わった使い方をしていないのになぁ〜。
不運というレベルを超えてます・・・
不具合は良くありませんが、問題ない状態になるまで見る、快適に使ってもらうために出来る限り対応する、という三菱重工のサービス姿勢は見事です。
何かあっても対応してもらえる安心感は、とても大きいです。
たまたま、まともな担当に巡り合えただけかも知れませんけどね・・・
アフターサービスの大事さを改めて感じます。
室内機と室外機を最新の2017年型に交換!
サービスから「何度もお時間をいただいており、これ以上お客様にご迷惑をお掛けできない」という申し出があり、室内機と室外機を最新機種に全交換する事になりました。
異音が消えるまでパーツ交換を続けるのも検討したようですが、これ以上分解修理を繰り返すと全く違う異音が発生する可能性も出てくるので、本体の入れ替えをしたいとの事でした。
大がかりな工事を避けたかったので修理で直して欲しかったのですが、サービス担当さんの言う事も理解出来るので交換工事を了承しました。
振動によって異音が発生しているのか、室内機内部に問題があるのか、たまたま取り付けた個体に不具合があったのか、定かではありません。
ルーバーパーツ交換前は異音が出ていませんので、交換したルーバーパーツの不良、もしくは取り付けに問題があった可能性も考えられますが、入れ替え対応する事になったので原因は闇の中です。
入れ替える機種は、2017年型SVシリースの「SRK22SV」というエアコンです。
ビーバーエアコンの最上位機種になります。
・入れ替え前の機種 SRK22SR(室外機:SRC22SR)
期間消費電力量:612kWh低温暖房能力:4.1kW
省エネ基準達成率:117%
通年エネルギー消費効率(APF):6.8
暖房6〜7畳(9〜11u):能力2.5kW (0.8〜5.7) 消費電力445W(135〜1,475)
冷房6〜9畳(10〜15u):能力2.2kW (0.9〜3.2) 消費電力420W(160〜825)
・入れ替え後の機種 SRK22SV(室外機:SRC22SV)
期間消費電力量:603kWh低温暖房能力 :4.3kW
省エネ基準達成率:118%
通年エネルギー消費効率(APF):6.9
暖房6〜7畳(9〜11u):能力2.5kW (0.8〜5.7) 消費電力425W(130〜1,450)
冷房6〜9畳(10〜15u):能力2.2kW (0.9〜3.2) 消費電力400W(160〜900)
スペックで比較すると、最新型は消費電力が微妙に少なくなってます。
冷暖房能力は変わりませんが、省エネ基準達成率が少し上がってます。
前のリモコンと新しいリモコンです。
ボタン配置などに変更はありません。
良く見ると、リモコンの上にある「BEAVER」という文字が、新リモコンでは「MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES」になってます。
昔ほどビーバーエアコンという知名度が無いせいかな?
三菱電機のエアコンは霧ケ峰、三菱重工のエアコンはビーバーです。
三菱電機は、三菱造船(現在の三菱重工業)より分離独立した総合電気メーカーで、FA機器、自動車電装機器、発電機、エアコン、エレベーターなどを手掛けています。
三菱重工は、造船、発電システム、航空機関連、製鉄機械、コンプレッサ、ターボチャージャー、フォークリフト、空調設備などを手掛ける重機メーカーです。
両社とも三菱財閥の流れを汲む三菱グループですが、三菱重工と三菱電機は全く違う会社なので勘違いしないように!
新冷媒R-32はどんなものか
入れ替え前の機種と入れ替え後の機種の大きな違いは、冷媒が変わった事です。
前のSRK22SRという機種に使われていたのは「R-410A」という冷媒でした。
R-410A冷媒は、R-32とR-125という冷媒が50:50で混合された、2種混合冷媒です。
入れ替え後のSRK22SVという機種に使われているのは「R-32」という冷媒で、混合冷媒ではなく単一冷媒です。
各社R-32を新冷媒と謳っていますが、R-410Aに混合されている冷媒なので、新冷媒と言うのはちょっと無理があります。
宣伝文句として「新冷媒」としているのでしょう。
R-410Aは不燃性ですが、R-32は微燃性です。
R-32冷媒が燃えると有毒ガスが発生する事から、これまで単一冷媒として使用するのは避けられて来ました。
R-32冷媒だけを使ったエアコンを世界で初めて製品化したのがダイキンです。
実は以前主流だったR-410A冷媒もダイキンが販売していました。
ダイキン工業は、1997年にR-410Aの特許を持つ米国のデュポン社と特許のライセンス契約を結んでいます。
同年R-32の量産プラントを建設していますので、R-32を知り尽くしています。
ダイキンは、冷媒開発から空調機器開発までを行う世界で唯一の空調メーカーです。
ダイキンでなければ、R-32の単一冷媒を使ったエアコンの発売はできなかったでしょう。
そのダイキンによると「R-32は、通常の使用条件で燃える事は考えられない」そうです。
空気の流れがあるところでは燃焼せず、静電気による着火テストでも燃焼報告は無いとか。
災害が起これば、通常ではない使用条件になります。
地震の影響で配管に亀裂が入ったら冷媒ガスが大量に漏れる可能性があります。
大地震の場合は、あちこちで火災も起こるでしょう。
R-32の大気中濃度が13〜29%になり、近くに着火源があると燃える可能性があります。
冷媒が燃えると毒性の強いフッ化水素やフッ化カルボニルという成分が生成されます。
これらを吸引すると灼熱感、咳、めまい、頭痛、息苦しさ、吐き気、息切れ、咽頭痛、嘔吐などの症状が現われるそうです。
吸引しなくても、皮膚からも浸透して骨を侵します。
大量に浴びると死に至ることも・・・
R-32が燃え、発生したガスが相当機密性の高い密閉空間に漏れ出し、その場でずっとガスを吸い続けたり、逃げずに居る状況でないと致死量までは行かないと思われます。
普通何かが燃えていれば、対応しますよね。
地震などの災害で破損しやすいのは屋外配管の継ぎ目なので、冷媒ガスは外に漏れるケースが多いでしょう。
冷媒配管が千切れて室内機が床に落ちるなどして、室内に冷媒ガスが漏れても燃えなければ大きな問題はありません。
では、R-32がどれくらい燃えるかです。
冷媒の安全性に関する国際規格(ISO817:2014)での、燃焼性区分は4つあります。
(不燃性がClass1、微燃性がClass2L、燃焼性がClass2、強燃性がClass3)
R-32は微燃性のClass2Lに区分されており「非常に弱い燃焼性」となります。
燃えたとしても燃焼速度は10cm/秒以下、爆発燃焼は生じない、火炎は垂直方向にのみ伝播し水平方向へは広がらないそうです。
因みにプロパンガスの燃焼区分は、強燃性のClass3です。
災害時のガス漏れ火災という意味ではプロパンガスの方が危険です。
詳しくは、ダイキン公式サイトの「冷媒の環境問題に対するダイキンの方針」R-32についての説明をご覧ください。
万が一、冷媒ガスが密閉度の高い室内に漏れたら素早く換気をしましょう。
R-32は空気より重いので、室内であれば床に溜まる傾向があります。
燃えなければ毒性の強いガスは発生しませんので、落ち着いて外気を取り込みガス濃度を薄めましょう。
念のためガスが薄まるまで火は使わないでください。
ダイキンは、自社が取得した「R-32(HFC32)を使用した空調機の製造・販売に不可欠な基本特許」を、途上国に対して無償開放しています。
さらに、国内メーカーに対しては、特許使用を金銭の支払いなく認め合う「クロスラインセンス契約」を結んでいます。
R-410A冷媒より環境に優しいR-32冷媒を普及させ、世界のスタンダードにしたいという目的だそうです。
ダイキン工業は、太っ腹ですね!
R-32冷媒は普及に時間が掛かった
ダイキンが世界で初めてR-32単一冷媒を家庭用エアコンに採用したのが2012年です。
微燃性による事故を懸念して、他メーカーは様子見していたため普及に時間が掛かりました。
これまで日本では、R-32冷媒が原因の火災は1件も起きていません。
数年経過して安全性が証明された事で、採用するメーカーが徐々に増えました。
三菱重工のルームエアコンへのR-32対応は、2015年に一部の製品から始まりました。
2016年には17機種全てがR-32に切り替わっています。
現在家庭用エアコンに使われている冷媒は、R-32が主流です。
R-32は、冷媒としての性能が良いのでエアコンへの封入量が従来より少なくて済みます。
地球温暖化係数(GWP)が従来の3分1になり、ガス漏れしても環境負荷が低くなりました。
単一冷媒になった事で、使用済み冷媒の回収・補充・再利用などが容易になります。
R-410A用の工具がR-32冷媒になってもそのまま使用出来ます。
これらは、業界側のメリットと言えるでしょう。
ユーザー側のメリットは、R-32のエネルギー効率が良い事です。
R-410Aと比べ5%程度効率が良いそうで、微妙にですが電気代が下がります。
地球温暖化防止は、巡り巡ってユーザーメリットと言えるかも知れません。
温暖化防止が出来れば、異常気象も減るでしょうし、作物などへの影響も少なくなります。
しかし、CO2大放出国のアメリカがパリ協定抜けると言ってますし、中国も石炭をガンガン使ってますので、どれだけ抑えられる事やらです。
そもそも、地球温暖化自体が嘘って話もありますけどね(笑)
オゾン層を破壊すると言われているフロン類ですが、世界的に見ると現在流通しているフロンの回収は3割ほどしか出来ていないそうです。
先進国が「きちんと回収しろ!」と言っても、冷媒回収までコストをかけられない途上国では難しいでしょう。
モントリオール議定書で、途上国も特定フロンを2015年までに全廃する事になっていましたが、どこまで実行されているかは疑問です。
日本も昔はエアコンや冷蔵庫の廃棄する際、冷媒管からシューっとガスを大気に逃がして終わりでした。
今でもフロン回収せずに、大気放出させている中古業者や産廃業者は少なく無いでしょう。
違法なので決して肯定はできませんが、将来の環境より明日の食いぶちを優先する気持ちは解らなくも無いです。
アメリカも環境より経済ですからね。
目に見えないものを規制するのは限界があります。
ソ連時代の原子力潜水艦が海洋投棄されており、周辺海域が汚染されています。
重油の汚染は見えますが、放射能は目に見えません。
日本の原発も「うっかり放射性物質をお漏らししてました」を延々と繰り返しています。
すかしっ屁も臭いけど、誰がやったか判らない事が多いです(笑)
最新エアコンに入れ替えた結果
入れ替えてからそれほど時間が経過していませんが、今のところ異音は出ていません。
入れ替えによって大きく変わったのは、これまでの記事でも書いてきた「エアコンのため息」が出なくなった事です!
今まで冷媒を強く回し始めるタイミングでシューという音が出ていました。
暑くて負荷が強い時は全く鳴りませんが、涼しくなってくると頻繁に鳴り出します。
多い時は30分おきに鳴るので「うるさかった」というのが正直なところです。
これが無くなっただけでも、入れ替えて良かったと感じます。
その代わり、冷媒がゆっくり循環しているココ・・・ココ・・・という感じの小さな音が出続けています。
冷蔵庫の冷媒が回る時のチョロチョロという高音では無く、響かない低めの音です。
音楽をかけると聞こえないレベルなので気になりません。
エアコン始動時や強運転中には、冷媒を景気良く回しているので冷媒が流れる音はしません。
強運転中は風の音などの動作音が大きくなるので、聞こえないだけかも知れません。
節電運転中は微風になるため風の音が無く、冷媒の音が目立ってしまうのでしょう。
ビーバーエアコンは毎年新しい型式が出ますが、内部構造はほとんど変わりません。
ユーザーからのクレームや意見に対応するため型式ごとに細かい改善はされているようです。
異音が出なくなったのは、この改善の結果なのか、冷媒の圧力が変わったせいか、冷媒制御プログラムの変更によるものか、たまたま精度が良い当たり個体なのか、ホントのところは判りません。
SRK22SVは変な音もなく、効きも良いので、前の型よりは良さそうです。
相変わらず室外機は大きめなので、広いベランダでないと厳しいかも。
謎のガラガラという異音の検証をお願いしました
機械を丸ごと入れ替えるという荒業で異音は無くなりましたが、原因は特定されていません。
「異音原因が何だったのか外したエアコンを調べて欲しい」とお願いしたところ、関係部署に持ち込んで調べるそうです。
原因特定の参考になるよう、改めて私が知る限りの異音発生時の条件やタイミングなどを細かく伝えました。
原因が特定出来たら教えてもらえる事になっています。
もし、返答がもらえたら追記します。
長いこと異音に悩まされた私としては原因を特定してほしいところですが、どこまで調べるかはメーカー次第です。
同じ機種で同じ症状が全国的に頻発していれば時間を割くと思いますが、今回の異音は非常に稀なケースなので廃棄して終わりかも知れません。
個体の問題でなければ、現行機種でも同じような異音が出る可能性があります。
最新機種はエアコンの溜息が無くなったので、出る確率は低そうですけどね。
エアコンの交換はこれで終わりにしたい・・・
エアコンが新しくなるのは良いけど、不具合検証にかける時間や修理で潰れる時間を考えたら、新しいエアコン買った方が安上がりです。
いつ異音が鳴るか待ちかまえて録音したり、音が鳴る数秒間にあちこち押さえてみたり、温度設定を変更して試してみたり、原因を探すのがマジ大変でした。
サービス担当が良い人じゃなかったら多分ブチ切れてます。
どうか前の機種だけの不具合、前の個体だけの問題でありますように!
ブログネタとしては良いですけど、いい加減落ち着いて欲しい。
また数カ月後、不具合記事を書いていない事を願うばかりです。
(※2018年1月11日追記)
本日、三菱重工がリコール情報を出しました。
かなり古い機種になりますが、1999年10月〜2007年製のルームエアコンが対象です。
室内送風用ファンモータのリード線接続部から発火に至るおそれがあるとの事です。
対象製品かどうかを調べるには、以下の公式リンクから調べてください。
既にかなりの年数使っている方が多いと思われます。
点検や部品交換が必要な製品は、全国に約92万台らしいです。
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