今回は手元にある素材を使って、ふすまパンミックスを美味しくなるよう実験した結果です。
失敗に次ぐ失敗、挫折、涙、感動、そして衝撃的な結末!
な〜んて事はありませんが、失敗の連続だったのは本当です。
何度もめげそうになりました。
はたして、美味しいパンは焼けるのか?!
前回、冨澤商店のふすまパンミックス粉を焼きました。
糖質制限中でもパンが食べたい方に、お馴染のふすまパンです。
しかし、私には「ふすまパンは低糖質なのに、美味しいです!」と言えません。
もっさりバサバサしていて、口の中の水分が持って行かれる感じです。
硬めな食感も好みではありません。
ふすまがたっぷり入ったパンは、どうしても口当たりの悪さが気になります。
ふすまの食物繊維は、100g中に50gも含まれています。
半分が食物繊維とは、恐れ入ります。
また、鉄分、カルシウム、マグネシウムなどの栄養が豊富で、健康にはとっても良いです。
そういう意味で少しくらい不味くても続ける意味はあります。
ふすまパンミックスは、強力粉の代わりにミックス粉を使えば良いだけなので簡単です。
お手軽に低糖質パンを食べるには便利なものです。
でもね・・・
私のようなヌルイ性格の食いしん坊は、美味しくなければ続きません。
ふすまパンの食感や味に違和感があって、どうしても慣れませんでした。
「小麦のパンと違いが無いように!」とまでは言いませんが、もう少しパンらしいパンが食べたいです。
そこで、何とかふすまパンミックスを美味しいパンにしようとレシピを研究しました。
美味しいふすまパンのレシピのはずが・・・
家にあるもので使えそうなのは、強力粉ときな粉です。
これまで強力粉でパンを焼いていたので、ストックが数キロあります。
正月に餅を食べるために買った、黄色きな粉と青きな粉も残っています。
ふすまパンのレシピを調べると多くの場合、大豆粉が使われています。
しかし、大豆粉は家にありません。
きな粉も大豆の粉なので「同じように使えるはず!」と信じて使ってみました。
・ふすまパン改良1回目!
強力粉50gと、きな粉50gを追加してみました。
ふすまパンミックス粉は、その分減らしました。
出来上がったのがコレ!
残念な事に3分の2くらいしか膨らみませんでした。
膨らまなかったのはミックス粉を減らした事により、グルテン量が減ったのが原因でしょう。
強力粉の量が少ないので、小麦からグルテンが上手く作られなかったのもあると思います。
使用した水が冷た過ぎたせいもあると思います。
ココア粉などを入れていないのに、生地がかなり茶色くなりました。
トップ画像は、これを切ったものです。
トーストすると耳は、さっくりしていてミックス粉だけの時よりは食べやすいです。
しかし中は、ほぼふすまパンミックスといった食感で、パサパサ感があり口の中の水分が持って行かれます。
バターだけでは食べれませんので、オリーブオイルにつけて食べなければ厳しいです。
家族からも大不評です・・・
・ふすまパン改良2回目!
1回目に強力粉を増やして少しマシになったので、思い切って倍の100g投入。
きな粉も70gに増量。
糖質量を計算すると8枚切り1枚が11.38gになってしまいました。
それでも、美味しければ強力粉100%パンよりはマシって事で実験です。
出来上がったのがコレ!
またも、全く膨らまず!
隕石かよ・・・
前回よりも釜伸びせず半分ほどの膨らみになりました。
強力粉を増やしたので、ミックス粉に入っているグルテンとの相乗効果で行けると思いましたがダメでした・・・
相変わらず生地は茶色がかっていました。
耳は前回より食感が良く小麦パンに近く、焼くとサクサク感はあります。
生地はまだパサパサ感はあるものの、口の中の水分が持って行かれる感じは減りました。
バターだけでも何とか食べられるようになりましたが、う〜んって感じ。
膨らまずに生地がギッシリ詰まっているのもダメです。
・ふすまパン改良3回目!
ネットでレシピを漁っていると、ヨーグルトを入れるともっちり感が増すとの情報を得たので入れてみました。
強力粉は、前回と同じ100gで、きな粉は100gにしました。
糖質量を計算すると8枚切り1枚が11.87gです。
本当は、10g切りたいんですけどね・・・
どんどんふすまミックス粉を減らしてますが、どの時点で耐えられる食感になるか?
結果は、最低の出来!
大失敗です!
お見せできるレベルではありませんので写真は撮っていません。
全く膨らまないばかりか、ねんどを食べているような食感です。
これまでのパンは何とか食べましたが、今回はとても食べられるモノではありません。
非常にもったいないですが泣く泣く廃棄する事に。
・ふすまパン改良4回目!
強力粉を150gに増量しました。
きな粉は一旦止めて、ミックス粉を50gにします。
強力粉メインになったので、強力粉のグルテン形成によって膨らむと期待。
強力粉を増やしたせいで8枚切り1枚の糖質量が14.03gまで行ってしまいました。
コンビニのブランパンも、これらくらいの糖質量のものが売られています。
糖質量は、この辺が限界です。
結果は、失敗!
膨らみが悪く、まん中がへこんでいる感じです。
写真を撮り忘れました・・・
強力粉によるグルテン形成を期待しましたが、それ以前に水分量で失敗しました。
山形に膨らむはずのまん中がへこむ焼け方は水分量が多すぎる場合です。
食べてみると意外と食感は悪くなかったです。
ヨーグルトを多めに入れたせいか、焼き上がった生地が少しべたつきました。
強力粉のお陰で小麦の香りと食感が少しは出ているものの、生地が詰まり気味。
食べれなくはないですが、美味しいとは言えません。
ここで、ミックス粉と強力粉ときな粉だけでは無理と判断しました。
奥さんは「食べれなくは無いよ」と食べてくれますが、私は失敗続きの不味いパンを食べる生活が嫌になってきました(泣)
結論は「ふすまたっぷりのパンは美味しく出来ない!」です。
私の焼き方に多大な問題があるのは承知の上です。
グルテン粉を使って膨らんでも、ふすまパン独特のパサ付きが抑えられない気がします。
何度かの実験で、ふすま量と食感に相関関係があると感じました。
ふすま(ミックス粉)を、少なくすればするほどバサつき感が減って食感が改善されます。
ふすまパンのスポンジ食感が、どうしても私は苦手です。
これは私個人の感想なので、ふすまパンの食感が平気な方も居ます。
美味しいと仰っている方も居ますので、好みの問題です。
ふすまパンを美味しく食べるなら、オーブンで焼いた方がふっくらすると思います。
ホームベーカリーなら、ふすま量を少なくした方が幸せになれそうです。
グルテン形成に問題があったのも事実です。
グルテンが少ないとガスを留めておけず膨らまないので、ギッシリ詰まった生地のパンになってしまいます。
やっぱりパンは、フワフワが良いですよね。
ふすまがダメなら大豆粉だ!
大豆粉なら小麦のパンに近いものが焼けると、多くのレシピに書いてあります。
ふすまパンがダメだったので、仕方なく大豆粉を買う事にしました。
大豆粉は、色々なメーカーのものが販売されています。
調べると生臭いとか青臭いとかエグミが凄いなどの、コメントが見受けられます。
エグミや香りは、大豆に含まれる酵素の働きによるものです。
この余計な酵素を取り去るには、失活処理をしなければなりません。
きな粉が良い香なのは、加熱によって酵素を完全に取り去っているからです。
では、大豆粉を加熱すれば良いかと言うとそう簡単ではありません。
大豆粉は加熱し過ぎると熱による変性を起こして、大豆本来の性質が変わってしまいます。
失活には90度以上の過熱が必要です。
失活は温度が低すぎると失活出来ず、高すぎると大豆粉本来の粘り特性が無くなります。
詳しくは、次の記事で。
生大豆粉を失活しないで使うと、青臭いパンやお菓子ができてしまう事があるようです。
不味いだけなら良いですが、大豆が持つ毒性によりお腹を壊す事もあります。
大豆粉の青臭さやエグミの原因である酵素を持っていない品種が開発されています。
それが、すずさやか大豆というもので粉したものが販売されています。
失活処理しなくても良いなんて、なんと素晴らしいのでしょう。
しかし、少しお高いです。
マルコメの生大豆粉はお安いです。
マルコメと言えば、お味噌ですよね。
味噌は豆から作られるので、豆の特性を良く知っているメーカーだと思います。
失活は必要ですよ。
マルコメには、小袋の大豆ラボという商品もあります。
安くて良いのですが生大豆粉特有のクセがあるようです。
確実に火を通して使う分には良い大豆粉のようですが、パン用としては膨らみが悪いという意見が多いです。
珠美人(たまびじん)という生大豆粉があります。
珠美人は25年前に日本の豆腐にマッチするようホンダが豆腐メーカーとの議論の末、米国の種苗会社と8年がかりで開発した大豆です。
あの車やバイクメーカーの、ホンダが逆輸入しています。
超微粉というのが特徴で、パンにする際に粘りが出やすい粉です。
味も良いそうですが、失活しないといけないのと、値段がね・・・
他に、パイオニア企画の大豆パウダー、アサヒエンジニアリングの大豆まるごと工房なども有名ですが、匂いがキツイとのレビューがあります。
生大豆粉は、失活すれば問題なく使えるはずです。
私が選んだのは、コレ!
みたけの大豆粉は失活処理済みで売られており、お値段も1kgで1,000円しません。
4個(2kg)セットもあります。
私が購入したのは外国産大豆を使用しているものですが、国産の失活大豆粉もあります。
国産は透明な袋にシールが貼ってある奴で、少し高めです。
香りは、ほとんどありません。
かすかにきな粉のような香りがあります。
この粉でパンを焼きましたが大豆特有の青臭さやえぐみは全くありませんでした。
唯一の難点は、パンにする際に膨らみにくい事です。
色々な方が膨らみづらいとコメントされています。
失活処理が面倒な私には、これ以外選択肢がありませんでした。
膨らまないのは、後で何とか考えます。
大豆粉だけでは膨らまないので、グルテンが必要
大豆粉でパンを焼く時に必要なのがグルテンです。
グルテンの強い粘りが無いとパンが膨らまず、パン特有のもっちり感も出せません。
グルテンとは、何か?
グルテンとデンプンは似ていますが何が違うのでしょう?
製法から、それが解ります。
ご家庭でも出来ますので、暇な方は実験してみてください。
小麦粉と水を混ぜて練ります。
まとまったら、30分ほど休ませます。
ボールに水をはり、生地を揉み洗いします。
水が白く濁ってきた水を乾燥させ粉にしたものがデンプンです。
水を換えて水が濁らなくなるまで揉み洗いして、最後まで残ったものがグルテンです。
多少の違いはありますが、でんぷんとグルテンは、ほとんど同じものと考えて良いでしょう。
グルテンを蒸したものが生麩で、流れ出たデンプンを乾燥させたものが浮き粉になります。
正確には、生麩はグルテンに小麦粉や、もち粉を混ぜています。
スーパーで売っている乾燥麩は、グルテンに小麦粉や、うるち米粉を混ぜて焼いています。
強力粉を使わないでパンを作る場合、粘りの元であるグルテンを入れれば膨らみます。
グルテン粉だけのパンも作ろうとすれば作れるくらいです。
食感がねっちりし過ぎていて、不味いらしいですけどね(笑)
大豆粉と同じで、グルテン粉も色々なメーカーから出ています。
グルテン粉は大豆粉より違いが大きくて、全然膨らまない商品もあるようです。
外国産グルテンは、膨らみづらいと聞きます。
長い間定番となっていたのが、パイオニア企画のグルテンパウダーです。
安いのに良く膨らむという評判で、多くの方が使ってきました。
なぜか2016年8〜9月頃から成分が変わったらしく、膨らまなくなったようです。
これにより、多くの方が他のグルテン粉に乗り換えました。
ネットのレシピにもこのグルテン粉を使っているものが多いです。
レシピが書かれた日付に注意してください。
このグルテン粉を購入する方は、最近のレビューを確認してください。
膨らむよう以前の成分に戻っている可能性もあります。
成分が戻っていなくても、多めに入れてやれば膨らむと思いますけどね。
少ない量でも膨らみが良いと言われているのが、フリーズドライのグルテン粉です。
ただフリーズドライグルテンは、お高いです。
私が買ったグルテンは、パナソニックのグルテンです!
家電のパナソニック製です。
国産グルテン粉の中では、低価格です。
GOPAN(ゴパン)用と書いてありますが、中身は一般的な小麦グルテン粉です。
多くのレシピを見ましたが、このグルテン粉を使っている方は少なかったです。
知らない人が多いのか、知名度が無いのか、ゴパンだけにしか使えないと思っているのかは判りません。
みたけの失活大豆粉は膨らまない大豆粉として有名なので、グルテン量が多めになります。
1kgくらいないと直ぐに使い切ってしまうので、安くて量のあるグルテン粉が良いです。
ゴパンというホームベーカリーは、元々サンヨーの商品です。
サンヨーはパナソニックに吸収された後ブランドが無くなりましたが、幾つかの製品はパナソニックブランドとして残っています。
このグルテンもその仲間です。
グルテンフリーで健康に?
グルテンフリーという言葉があります。
健康のためにグルテンの摂取を控えようというものです。
グルテンの安全性に疑問を感じている方も少なくないのでは?
確かにグルテンは、身体に良くないという噂があります。
よく言われているのが、グルテン過敏性腸症(セリアック病)です。
症状は、胃腸問題、体重の増減、貧血、関節痛、倦怠感、不妊症、発育の遅れ、乳児の成長障害など様々です。
小麦大国のアメリカでセリアック病を引き起こす人は、1%程度のようです。
これを多いと見るか少ないと見るか?
小麦栽培が始まったのは。約1万年前と言われています。
これまで世界各国で主食として食べられてきました。
本当にグルテンが多くの方に悪影響を及ぼすなら、もっと多くの病例が報告されているはず。
日本で室町時代から食べられてきた、お麩もデンプンとグルテンの塊です。
現代の小麦は品種改良が重ねられた人工的なものなので、良くない事もあるかも知れません。
米も野菜も果物も人間の手によって品種改良されてますけどね・・・
アレルギーが起きにくいと言われている古代小麦も販売されています。
古代小麦は、品種改良されていない昔ながらの小麦です。
気になる方は「スペルト小麦粉」などで検索してみてください。
そんなに高くありませんが、国内外共に生産量は少ないです。
「グルテンフリーで健康」というイメージだけが先行している気がします。
ハリウッドセレブの影響もありそうですね。
グルテンフリーは、アレルギーなどで食べる事ができない体質の方には有効だと思います。
グルテンによって下痢や腹痛を起こす、グルテン不耐症の方にも効果があるでしょう。
太り過ぎた方がグルテンフリーで、小麦製品を摂らないのは良いと思います。
しかし、他で糖質を多く摂っていれば痩せるはずがありません。
痩せる目的なら、グルテンフリーでは無く、糖質制限ダイエットの方が効くはずです。
グルテンだけを控えてもね・・・
グルテンが身体に良くないというというのは噂の域を出ません。
病気のない人がグルテンフリーによって健康上のメリットがあるという科学的な証拠はありません。
最近は危険性を訴えていた科学者さえも、「良く調べたら問題ないかも」との見解を出すケースもあります。
香川県は小麦で作られるうどんの消費も非常に多いですが、平均寿命ランキングで全国平均のまん中で22位。
小麦粉消費量1位の長野県は、平均寿命が1位(笑)
小麦に入っているグルテンは、身体に悪いんじゃないの?って思ってしまう結果ですね。
今後はどうなるか判りませんが、今のところ我が家にグルテンに関わる病気を持っている者は居りません。
パン大好きな家族なので、気にせずグルテン粉を使って行きたいと思います。
少しでも調子が悪くなるという方は、控えるべきかもしれませんね。
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