今回はホームベーカリーでパンを焼く時の失敗原因と、膨らませるためのコツです。

前回も書きましたが、我が家では週1〜2回ペースでパンを焼いています。
ご飯も大好きですが、朝食はパンが多いので、これくらいのペースで焼いています。
ホームベーカリーを使った事の無い方は、「パンを焼くのって面倒そう」と思っている方も少なくないでしょう。
私も昔はそうでしたが、やってみたら凄く簡単でした!
パン容器に材料を計って入れて、スイッチオンするだけです。
食器洗浄器と同じくらい買って良かったモノで、使用頻度も高いです。
焼くのは、ほとんど食パンです。
トーストはもちろんですが、サンドイッチにもバーガーにも出来るのでバリエーションに困らないのが食パンです。
生地作りだけをホームベーカリーにやってもらい手を加えてやれば食パン以外も出来ますが、材料を用意してスイッチを入れたら勝手に焼き上がる食パンが1番楽です。
シンプルに何も入れなければ、小麦本来の風味が味わえます。
レーズンを入れるとほんのり甘くなり、アーモンドチップを入れれば香ばしくなります。
砂糖を黒糖に替えると、風味が良くなりコクが出ます。
砂糖が入っていない純ココアの粉末を入れるのもオススメです。
ココアの香りがパンの香りに合わさって美味しいですよ。
パンの分量はこんな感じ
パン1斤の材料の基本は、以下の通りです。
強力粉:250g
スキムミルク:多さじ1〜2杯
砂糖:20g
塩:3g
無塩バター:18g
水:180cc
ドライイースト:3g
どのホームベーカリーでもこんなものだと思います。
ホームベーカリーの説明書に書いてありますが、私が何度も実験した結果この分量に落ち着きました。
ただ、この分量だと糖分が多くて太るので、砂糖は10〜15gに、塩は2g、油分のバターは1欠片(毎回適当だけど多分8g程度)だけ入れる事が多いです。
砂糖や油を減らせば減らすほど、シンプルなフランスパンに近いレシピになります。
フランスパンほどパサパサじゃなく、生食なら適度にもっちりしていてトースターで焼くとパリッと歯触りが良いパンになります。
もっちりしたい人は、基本の分量にしましょう。
初心者にもオススメの材料
強力粉のオススメは、少し高いですが北海道の小麦粉です。
春よ恋、ゆめちから、キタノカオリあたりが有名どころです。
個人的には、キタノカオリの焼き上がりと香りが気に入ってます。
はるゆたかも有名ですが、高い割にイマイチかな・・・
気温にもよるので一概には言えませんが、国産小麦は海外小麦に比べてタンパク質の量が少ないので、微妙に(2%程度)水分量を減らすと良い感じになります。
国産粉は難しいと言われますが、神経質にならずともホームベーカリーの規定水量で普通に焼けます。
外国産の強力粉は、アメリカ、カナダ、オーストラリアからの輸入モノです。
有名なのは、ヨット、イーグル、カメリア、スーパーキングあたりでしょうか。
タンパク質が多く、パンに向いている美味しい粉です。
価格も国産よりお安いのですが、少しだけポストハーベストが気になります。
市販のお菓子やパンなどは、ほぼ全て外国産の安価な粉を使っていますので、普通の食生活では避けきれません。
外国産小麦の残留農薬は国の基準があり、それ以下のものしか出回っていないので、そこまで危ないとは思っていませんが、製粉会社が明らかな国産小麦の方が安心です。
健康オタクでは無いですが、普段から残留農薬や保存料を口にしているのであろう事を考えると、少しでも減らしたいなと。
強力粉なんてどれも同じでしょ?と思われるかも知れませんが食感や香りに違いがあります。
単品種ではないブレンド粉は、個性が無い代わりに無難な味で少しお安いです。
粉は、ネットや製菓材料専門の富澤商店さんで買う事が多いです。
北海道産強力粉 春よ恋 5kg 小麦粉 国産
水とスキムミルクを使うのは脂肪分を抑えるためもありますが、コストパフォーマンスが良いからです。
水とスキムミルクを使うと脂肪分が無い牛乳になります。
水とスキムミルクを止めて、牛乳を180g入れた方が美味しいですけどね。
バターは、オリーブオイルでも代用が効きます。
バター8gでオリーブオイル8gとか混ぜても大丈夫です。
可能であれば、無塩バターが良いです。
有塩バターを使うなら、塩を控えめにして下さい。
カルピスバターが美味しくてオススメです。
高いので、たまにしか買いませんが・・・
バターと言えば、毎年起こるバター不足には腹が立ちますな。
敢えて品不足にしてるとしか思えません。
バターが無いからと、マーガリンやショートニングで代用するのはオススメしません。
身体に良くないトランス脂肪酸も気になりますし、風味が良くありません。
固形油脂が無い場合は、オリーブオイルだけでもパンは焼けます。
ドライイーストは、定番の赤サフを使っています。
予備発酵が必要無く、使いやすくて癖がないイーストです。
因みに、金サフは予備発酵なしで、菓子パンなど甘い系のパンに合うイーストです。
青サフは予備発酵が必要で、ハード系のパンに向いています。
普通の食パンには、オールマイティーな赤サフで問題ありません。
ドライイーストは、乾燥した粉末状になっていますがイースト菌は生きています。
1度封を開けたらイーストが雑菌に汚染されないよう、キッチリ蓋をして冷凍庫保存をオススメします。
冷凍庫から出して直ぐに使っても膨らんでくれます。
各材料の分量は、お好みで調整してください。
ホームベーカリーによって焼きあがりの癖がありますので、自分好みの焼き上がりにする分量を試して行くしかありません。
食パンミックスなど1斤ごとに袋詰めされた粉も売っています。
個包装された粉、水、付属のイーストを入れるだけという簡単さですが非常に割高です。
計算してみれば判ります。
計る手間はありますが、材料ごとに量を買った方が、1斤当たりの単価を抑えられます。
うちの消費ペースは、強力粉5kgを1〜2袋買って2〜3カ月程度で無くなります。
お試しで味見をするなら1kg(4斤分)で十分です。
スキムミルクは、それ程消費しないので1kgあると結構もちます。
ドライイーストも、1度に使う量が少ないのでかなり長持ちします。
125gなので、約40斤作れる計算になります。
バターは、450gを買って切り分けて冷凍保存しています。
バターは、足が早いので冷凍保存しましょう。
時々料理などにも使っていますが、冷凍すれば数カ月もちます。
粉系は湿気って悪くなる事を考えると、大量に買うより消費できる量を使い切って行く方が良いと思います。
掛かっても半年で使える量を買いましょう。
計量するのに必須なのが、キッチンスケールです。
私が使っているのは、「ドリテック」というメーカーのデジタルスケール。
ボタンがタッチセンサーなのが良いです。
タッチ式ボタンなので、粉が隙間に入り込みません。
フラットなので、サッと拭き取るだけで綺麗になり手入れが簡単です。
液晶が大きく文字が読みやすいですが、バックライトはありません。
購入後、直ぐに電池切れが起こりました。
電池を入れ換えても、またすぐに電池切れ表示に・・・。
メーカーが調べた結果、部品に不良があったとの事で新品交換になり、すぐに交換品が到着しました。
交換品は、使用開始してから5年以上経ちますが、電池を入れ換えることなく動いています。
凄く電池が持ちますので、電池が液漏れしてダメになるまで使えそうです。
いつも通り、初期不良を引くあたり我ながら見事です・・・ホント運無いですわ〜。
ドリテックは、あまり有名なメーカーではありませんが、サポート対応は丁寧で対応も早く、悪くなかったですよ。
キッチンスケールは、タニタ製が失敗ないと思います。
購入当時は、0.1g単位計量が可能な安い商品が少なかったのでコレにしましたが、今買うならコレかな。
強力粉の保存方法
パンを焼くのに1番量が多いのが強力粉です。
まとめて量を買う方が安くなるので、5kgとか10kgの大袋入りの強力粉を買っています。
袋を開けたら250gづつビニールの小袋に分けて入れ、空気を抜いて口を結びます。
それを、密閉できるガラス瓶に入るだけ詰め込んで保管しています。
粉が5kgだと、2Lの密閉ガラス瓶3本に収まります。
密閉ガラス容器は、ゴムパッキンが口に付いている商品を選んでください。
瓶の中に、乾燥材のシリカゲルも入れてます。
シリカゲルは、レンジで1〜2分チンすれば復活しますので半永久的に使えます。
乾燥する時は、強いワット数で30秒チンするより、弱いワット数で1分チンしてあげた方が良いです。
強いワット数で長時間かけるとシリカゲルの吸着構造が破壊されてしまいます。
熱々にならないよう数回に分けて、何度もチンするようにしてください。
シリカゲルの玉の中に幾つか青い色の玉が入っていると思います。
青い玉は、湿気を吸うと透明になります。
乾燥すると青色に戻るので、乾燥状態の目安になります。
完全密閉出来る容器&シリカゲルで、湿気と虫の混入を防げます。
1年中、この方法で常温保管していますが、虫が湧いた事も粉が湿気たこともありません。
パンが膨らまない!焼き方のコツ
ホームベーカリーでありがちなのが、焼き上がっても膨らんでいなかったという失敗です。
半分くらいしか膨らまず「ぎっしり詰まった重いパンが出来てしまった」という経験が、ホームベーカリー初心者なら1度はあるはずです。
上手く焼けなくなる条件が揃うと、材料をいつも通り入れているのに膨らまない日が突然やってきます。
失敗する原因は、ズバリ温度です!
季節によって室温が違い、材料の温度も違います。
すると、生地が未発酵になったり過発酵になったりします。
これが膨れない1番の原因です。
職人さんは発酵具合を目で確認して見極め、その日の気候にあった状態で焼きあげます。
素人にそんな芸当は出来ませんし、ホームベーカリーにもそんな機能はありません。
そこで、失敗しない方法です。
ホームベーカリーでのパン焼きは、暑い時より寒い時の方が失敗しません。
天ぷらじゃないですけど、パンの材料も冷やしておくと失敗が少なくなります。
じゃあ、粉を冷蔵庫に入れておけば良いかと言うとそうではありません。
冷蔵庫は頻繁に開け閉めをするので、粉に霜がついてカビてしまう危険性が高いです。
カビていなくても、湿気た粉は膨らみが悪くなります。
常温保存している材料を冷やすのに使うのは、家庭の冷蔵庫で作れる普通の四角い氷です。
水と氷で、規定の水分量180ccくらいになるようにします。
真夏は、氷を4〜5個入れてもOK!
とにかく水を冷やしてやります。
その氷水をパン用機に入れたら、砂糖(糖分)を入れます。
バター(油脂分)もここで投入します。
バターは、冷凍庫から出したまま入れても大丈夫ですが、数十秒チンして軟らかくしてから入れた方が仕上がりが良くなります。
そして、その上から常温のスキムミルクと強力粉をドサッと入れます。
次に、パン容器の端の方に塩を入れます。
端に入れるというのに意味があります。
理由は、下の方に書いてあります。
ドライイーストは、後入れ式なら専用容器に、先入れ式なら粉中央に窪みを作って入れます。
ここは、ホームベーカリーの説明書に従ってください。
そしてスタートします。
氷が溶けていないので最初はガラガラうるさいですが、直ぐに溶けます。
氷でパン容器に傷がつきそうとか、機械が壊れそうと思いますが、我が家ではこの方法で5年以上不具合はありません。
心配な方は氷を割って小さくしてから水に入れるとか、氷が溶けるのを待ってください。
氷を使う使わないの判断は、気温です。
厳密に何度とは言えませんが、水が冷たい季節になったら氷は必要ありません。
水が冷たい季節になれば、粉も冷えているはずなので、氷なしでも膨らみます。
春秋は、気温によって氷の数を調整します。
水が冷えるだけの氷を入れてください。
冬は水が冷たいので、氷は必要ありません。
部屋が非常に暖かい場合1個くらい入れても良いですが、水が冷たければ暖房が効いていても氷は必要ありません。
ホームベーカリーの基本的構造はどのメーカーも似たり寄ったりなので、どのホームベーカリーにも使えるコツです。
この辺をもう少し詳しく説明書に書いておいてほしいですけどねぇ〜。
失敗しないためにもう1つ重要なポイント!
水の温度が重要なポイントですが、もう1つ失敗しないコツがあります。
それは砂糖と塩です。
ちょっとした事ですが、砂糖と塩は離して入れるようにしましょう!
ドライイーストは、普段乾いていて仮眠状態です。
イースト菌は、水と出合うと生き返り、糖分を栄養にして炭酸ガスを発生させます。
このガスがグルテン皮膜の中で発生するので、ガスによってパンが膨らむという原理です。
イースト菌が塩と触れる前に糖と反応させたいので、砂糖と塩を離した場所に入れます。
砂糖と塩を一緒に水の中に先に入れてしまうと、浸透圧で死滅するイースト菌が出てしまい、働きが悪くなります。
上に書いた手順で、水に砂糖を先入れするのは、イーストの反応を良くするためです。
イーストは、小麦デンプンが分解された糖も栄養にします。
フランスパンなどのハードなパンは、この糖分だけで膨らみますが、それには予備発酵した強いイースト菌が必要です。
予備発酵しないドライイーストは、水で生き返った瞬間に糖分と反応させるのが重要です。
ダイエットしたいからと言っても、砂糖を極端に減らしてしまうと、イーストが働けず膨らみが悪くなります。
「塩が邪魔なら入れなければ良くね?」と思ってしまいますが、塩分が無いと水分を保てないのでパサパサの不味いパンになります。
これらを考えると、パンは科学ですね。
健康の為に強力粉と共に全粒粉を入れる方も居るかと思います。
全粒粉は、グルテン形成が良くないので、膨らみにくくなります。
小麦グルテンを追加する方法がありますが、糖分を気持ち多めにしたりイーストを少し多めにするのも手です。
プロのパン職人さんは、他の材料を混ぜてから最後に塩を入れて混ぜます。
お店で失敗すると損害が大きくなります。
失敗を防ぐ確実な方法として、塩は最後に入れるという方法を取っているそうです。
この法則は、ホームベーカリーでも同じで、焼きミスを減らすためのちょっとした工夫として覚えておいてください。
少し長くなったので今回は、この辺で。
スポンサーリンク
【キッチン ホームベーカリーの最新記事】