優柔不断流の買物道 > 波刃のパン切り包丁が切れなくなってきた時の研ぎ方
2017年01月24日

波刃のパン切り包丁が切れなくなってきた時の研ぎ方

スポンサーリンク


パン切り包丁研ぎトップ画像

我が家では、週に1回ペースでパンを焼きます。
オーブンが無いので、簡単便利なホームベーカリーを使っています。
ホームベーカリーでも十分に美味しいパンが焼けるので、店でパンを買う事がほとんど無くなりました。
保存料や添加物が入っていないので、自然な味が楽しめます。

パンを焼き始めた頃は、普通の万能包丁(牛刀)で切っていましたが、どう頑張っても綺麗に切れません。
特に焼きたては非常にフワフワで軟らかいので、切る時にパンが潰れてしまいます。

そこで、パン切り包丁を購入しました。
刃が波型になっているノコギリのような包丁です。

購入する際の条件は、当たり前ですがパンが切れる事。
サンドイッチやケーキなども綺麗に切れる事。
切れ味が長持ちする事。
食洗器に入れられる事。
なるべく安い事です。

レビューなどを見ると「安いけどすぐ切れなくなる」という書き込みがある商品もあります。
それらのレビューなどを参考に、私が購入したのがこちら
長さが丁度良く、使い勝手が非常に良いです。

持ち手が金属のパン切りナイフは、色々なメーカーから出ています。
しかし、少々お高いんですよね・・・
この下村工業のパンスライサーは1,600円程度ですが、他は3,000円超えです。
お高いので、きっと凄く切れ味が良いはずです。
各社で刃の形が微妙に違います。




持ち手が木やプラスチックのブレッドナイフなら、もう少し安い商品があります。
食器洗浄器に突っ込むと、割と早く劣化が進みます。
食洗器は高い温度のお湯で洗うので、木は割れやすくなります。
プラスチック製は、割れませんが劣化して外れる事があります。

面倒臭がりな方は、刃と柄が金属素材のモノを選びましょう。
水をはった洗い桶に漬けておいてもカビませんので衛生的です。

私がこのパンスライサーを購入したのは、約5年前。
パンのカットは、週1回1斤カット、時々ケーキなどのカットにも使っていました。
ケーキを箱から出してカットする時に、ケーキの下にあるズレ防止の金具に刃を当ててしまう事も時々(笑)
購入当初は切れ味抜群でしたが、約5年経過して切れ味が落ちてきたと実感しています。

刃研ぎせず、4〜5年は持ったので、値段の割に優秀だと思います。


簡易シャープナーの実力は?


普通の包丁であれば研ぎ石で研げますが、パン切り包丁の波刃は研ぎ石では研げないと言われています。
波刃は、刃がギザギザに付いているので平らな砥石で研いでも、石に刃が当たりません。
製造工場にある刃の形に合った専用機械がないと、本格的な研ぎ直しは無理です。

研ぎ屋さんにお願いすると新品が買える金額取られます。
そもそも、波刃包丁の研ぎをやってくれない研ぎ屋さんが多いです。
波型刃の研ぎは、非常に手間が掛かるので割に合わないそうです。

新品のパン切り包丁もそれほど高くないので、切れなくなったら買い直しするものと考えている方が多いと思います。
でも、刃が欠けている訳でもないのに捨てるのは勿体ないですよね〜。

何かないか探したところ波型包丁対応のシャープナーがありました!
内部にボールが入っていて、波型刃も研げるという優れものです。


ただ、この手の簡易シャープナーに期待してはいけません。
この商品ではありませんが、これまで幾つか買ったり貰ったりして使った経験から言うと、イマイチです。
ダイヤモンドやすり製、セラミックやすり製がありますが大きな違いはありません。
全くやらないよりは、少しはマシですが凄く切れるようにならないんですよ。

結局、砥石で研ぐようになりました。
確実に切れ味を戻すには、砥石による研ぎが1番です。


ご家庭で波刃を何とか研ぐ方法


確実なのはメーカーに送って研ぎ直ししてもらう事ですが、研ぎ直しを受けつけていないメーカーが多いです。
受付けてくれても送料や加工代を考えると、新品を買うより高額になる可能性があります。

そこで、裏技的な方法で切れ味を復活させます。
使うのは、普通の平らな砥石です。

砥石は、2つの目(荒砥、中研)がセットになっているものが良いと思います。
荒砥ぎは、300〜400番くらいで、グレー色が多いです。
中砥ぎは、800〜1000番くらいで、茶色が多いです。

上記以上の細かさの「仕上げ砥ぎ」は、一般家庭では必要ないです。
研いだ面を綺麗に仕上げたい方や、研いだ刃を微妙にでも長持ちさせたい方は、最後に4000番くらいの砥石を使っても良いと思います。
切れるようにするという意味で仕上げ砥ぎは必要無く、見た目も800〜1000番の中砥で綺麗に研げます。

細かさが違う2枚を揃えても良いですが、2枚表裏で一緒になったものがコスパが良いです。
1個になっていた方が場所も取りません。
滑り止めシリコンなどが付いた砥ぎ台セットもありますが、必要ないと思います。
砥石を濡れ雑巾の上に置いてやれば、砥石が滑る事はありません。



包丁用の砥石であれば、どのメーカー製でも簡易シャープナーより切れるように出来ます。
安いステンレス包丁の場合、ステンレス用砥石がベストですが、普通の砥石でも時間をかければ研げます。
ステンレスは、普通の鋼より約1.5倍硬いので、時間をかけて研いで下さい。

包丁には両刃と片刃がありますが、ほとんどのパン切り包丁は片刃です。
両刃と片刃
波型刃は刃にデコボコがあるので、普通の包丁のようには研げません。
よって、波刃は刃が付いていない平らな面を主に研ぎます。
片刃を研ぐ面
普通の両刃包丁は、刃のミネ(背中)を10円玉3枚分くらい持ち上げた角度で研ぎます。
波刃包丁の場合、平らな面の刃先を砥石に当ててミネを10円玉1枚持ち上げる程度にして研ぎます。

本当は、刃の付いていない平らな面を砥石にべた付けして研ぐ「平研ぎ」が良いです。
しかし、刃の横全体が砥石に当たるため擦り傷が出来てしまいます。
それが嫌なので微妙に角度をつけて研いでやります。

面倒なので私はやっていませんが、ガムテープやセロハンテープを刃先以外に貼って、マスキングしてやれば確実に刃横の傷は防げます。
見た目を気にされる方は、やってみてください。

砥石の端の方を使って包丁の横を砥石に付けずに研ぐのも手です。
砥石の片減りを防ぐために、普通の包丁は砥石全面を使って研ぐようにしましょう。

平らな面を研ぎながら、時々刃先を軽く指で触って確認してください。
刃を指の腹で触ると確認しやすいです。
刃と平行に指を動かすと指がスパッと切れますので、垂直に指を当ててください。
刃が立っていれば尖ってツンツンしているのが解ると思います。

必ず刃の具合を確認しながら研いでください。
刃の無い平らな面に、刃をつけるほど研いではいけません。
研ぎ過ぎると刃先だけが完全な両刃になってしまいます。
両刃にしたいのでは無く、上図のようにあくまでも片刃のまま刃を出します。

この平面側の研ぎが終わった時点で、刃が出来ているのが判ると思います。

次に、波のある方を研ぎます。
波刃の方は、普通の包丁を研ぐのと同じ要領で研ぎます。
普通の包丁のように少しミネを浮かせて研ぎます。
波刃も少しだけ研ぐ
ほとんどの場合、普通の包丁と同じく10円玉3枚浮かしで良いと思いますが、波刃包丁によって刃の角度が違います。
刃の角度を良く見て、無理の無い角度で研いで下さい。

普通の包丁研ぎでも同じですが、刃先とミネの角度を一定に保って研ぐようにしてください。
難しいと思いますが、何度もやって慣れるしかありません。



こういう便利な商品もありますが、刃の上下幅が狭いパン切り包丁では角度が合いません。
慣れればタダです!
器用さにもよりますが、5〜6回程度で上手く出来るようになるかと。
失敗しても研ぎ直せば良いだけです。
これを期に練習して、料理包丁も切れ味抜群にしてやってください。

研ぐ際にやりがちなのは、なかなか研げないからと刃に沿えた手で、刃先を強く押し付けながら研ぐ事。
強く押し付けると刃がしなって均等に研げません。
切れる部分と切れない部分がいつまでも残ってしまい、なかなか研ぎ終われません。
手は軽く添える程度にして研いで下さい。

波刃の方は、平らな面ほど研がなくて良いです。
波刃砥ぎのメインは、刃の付いていない平らな面を研ぐ事です。

刃に波があるので、当然ですが波のへこんだ部分は研げません。
しかし、パン切り包丁は先の方を切れるようにしてやるだけで、かなり切れ味が戻ります。
パンの繊維を波の先端で切れるようになると、押したり引いたりする時の力がさほど要らなくなり、断面も綺麗にになります。


切れなくなって捨てる前にお試しを!


見た目はボロくなっていないのに切れなくなったという方は、是非やってみてください。
波型包丁の良いところは、上に果物が乗ったケーキがそのまま切れる事。
切れない包丁だと果物がケーキにめり込んでしまいますが、切れる包丁は果物ごと綺麗に切れます。

波型刃は研げないというのが定説ですが・・・
新品同様とは言いませんが、研いでやることで寿命を延ばせます。
そこまで研ぐ人は居ないと思いますが、何度も何度も研いで波が浅くなってしまったら、刃が出せなくなるので寿命です。

片刃の平らな面だけを砥ぐのは、砥ぎ屋さんでもやっている方法です。
波刃というのは、波を均一に揃えないと切れ味が落ちてしまいます。
手作業で厳密に波を揃えるのは至難の業なので、業者でも波の方は弄りません。
腕利きの職人さんがやれば出来るとは思いますが、やってくれないでしょう。

私が持っている砥石は、15年以上使っていますが、ほとんど減っていません。
年に数回包丁を砥ぐ程度の使い方で砥石は減りません。
週1回何本も刃物を砥ぐ職人さんなら砥面も消耗するでしょうけどね。

砥石は、落として割らなければ一生ものです。
そう考えると、高くない買い物だと思います。

砥石で研いでやらないと、あの気持ち良い切れ味は出せません。
簡易シャープナーでは、砥石で研いだ状態と同等にはなりません。
野菜はまだ良いのですが、肉は切れない包丁だと苦労しますよね。

パン切り包丁だけでなく、普通の包丁も凄く切れる気持ち良さ知ってほしいです。
切れなくなった包丁を捨てるなら、その前にやってみてくださいな。

スポンサーリンク

posted by ユージュー at 20:03 | Comment(2) | キッチン ホームベーカリー
この記事へのコメント
パン切り包丁研ぎ情報ありがとうございます。 明日の朝、さっそく夫に研いでもらいます!
Posted by ひろぽん at 2017年09月28日 22:29
ひろぽんさま、コメント有難うございます。
普通の包丁と少し違う研ぎ方で難しいと思いますが、頑張ってください。
Posted by ユージュー at 2017年09月29日 15:47
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]