前回は、UPSに何を接続するか、寿命や廃棄方法などを解説しました。
今回は、UPSの性能などを比較しながら見て行きます。
パソコンとNASの非常時電源として、500Wクラスのものを検討します。
矩形波の商品は、不安が残るので除外します。
シェア的に言うとAPC(シュナイダーエレクトリック)とオムロンが強いようです。
富士キメラ総研の調べたシェア率のグラフを見ると、数年前まではAPCが50%ほどのシェアを取っていましたが、他社も追い上げてきている模様です。
価格.comのランキングを見てもAPCとオムロンが上位を占めています。
APC(シュナイダーエレクトリック)
UPSと言えば、APCというイメージが一般的だと思います。
業務用は、用途に沿う高級機種が色々あるので判りませんが、小型の一般用ではAPCが有名です。
「BCN ランキング」を御存知でしょうか?
「BCN」という会社は、マーケティングなどをやっている会社で、電化製品の売上から「BCN ランキング」を決定して、定期的に発表しています。
年間売上のトップになると(BCN AWARD)という賞が贈られますが、APCは、UPS部門の最優秀賞を何度も取っています。
量販店などにBCNのフリーマガジンが置いてあります。
売れ筋の商品を紹介しているので、見てみてはいかがでしょうか。
最優秀賞を取ると、色々な雑誌でも紹介されますので、認知度が上がります。
「20XX年BCN最優秀賞」という黄色いシールが貼ってある商品を、家電量販店で見かけた事がある方も多いと思います。
数年前まではAPC以外の選択肢は無かったように思います。
APCのUPSは、価格と性能のバランスが良いので個人ユースで手が出しやすいです。
台数が売れている事から、口コミやレビューも多く機種ごとのウィークポイントを知る事が出来ます。
値段と機能、容量を考えてピックアップした商品はこちらです。
RS 400 BR400G-JP
240W(400VA)と少々非力ですが、1万円という低価格です。
UPSは、エラー時の対応などを考えると、液晶表示付が解りやすいです。
低スペックのパソコンであれば、1台は行けると思います。
保証期間:2年
バッテリ寿命:2年〜4年(5〜25度)
接続形態:ラインインタラクティブ
出力波形:近似正弦波
出力波形が「近似正弦波」となっています。
疑似正弦波のようですが、パソコンにも問題無く使えるようなので大丈夫でしょう。
RS 550 BR550G-JP
330W(550VA)で、1.4万円くらいです。
低スペックのパソコンであれば、1台と周辺機器まで行けると思います。
保証期間:2年
バッテリ寿命:2年〜4年(5〜25度)
接続形態:ラインインタラクティブ
出力波形:近似正弦波
Smart-UPS 500 LCD 100V SMT500J
こちらは、360W(500VA)で、2万円くらいします。
低スペックのパソコンであれば、1台と周辺機器まで行けると思います。
APCは、このクラスから正弦波になります。
従来製品は2.5年だったバッテリー寿命が、こちらは4.5年に延びているとの記載があり、バッテリ寿命表示が従来品より延びています。
って事は、他は2.5年しか持たないという事のようです。
バッテリ寿命が延びていますが、保証は従来品と同じ2年です。
保証期間:2年
バッテリ寿命:4〜6年
接続形態:ラインインタラクティブ
出力波形:正弦波
Smart-UPS 750 LCD 100V SMT750J
こちらは、500W(750VA)で、3万円近くします。
ミドルクラスのパソコン1台と、周辺機器まで行けると思います。
スペック的に、丁度良いのですがちょっと高いなぁ。
保証期間:2年
バッテリ寿命:4〜6年
出力波形:正弦波
接続形態:ラインインタラクティブ
非常に解りづらいですが、APCのUPSは名前に「APC RS 550 BR550G-JP」と「APC RS 550 BR550G-JP E」というものがあります。
「E」が付いているかついていないかの違いだけで、全く同じ内容の商品です。
「E」付きのものは、発売時期が新しいですが、保証期間が1年になっています。
APCは、全体的にちょっと設計が古い感じがします。
安いものが矩形波だけなのは解りますが、高級品まで矩形波のものがあります。
矩形波が悪とは言いませんが、一度出した機種を何年も型番を変えず売っているようです。
矩形波を除いてしまうと、丁度良い価格とワット数のものがないですね。
保証が全て1〜2年です。
APC公式ショップなら延長保証を有料で買えるようですが、高い!
さすがアメリカの会社、この商売っけ。
オムロン
オムロンは、国内でのブランド認知度が高い事から安心感があります。
医療機器や計測機器で有名ですね。
レントゲンのタイマー製作から始まった会社だそうです。
オムロンがUPSを作っている事を知りませんでしたが、レビューを見ると評判が良いです。
BY35S
210W(350VA)で1.4万円くらいです。
オムロンは、このクラスで正弦波対応しています。
BY50S
300W(500VA)で1.6万円くらいです。
BX50FW
300W(500VA)で2万円ちょっとします。
BY50Sとほぼ同じスペックですが、高いのは2005年発売のせいでしょう。
BY80S
500W(800VA)で3万円近くします。
丁度良いスペックですが、お高いですね。
ここに記載されたオムロンUPSは、全て下記仕様です。
保証期間:3年
バッテリ寿命:4〜5年
運転方式:常時商用給電方式
出力波形:正弦波
オムロンは、ラインインタラクティブではなく常時商用給電方式にして価格を抑えているようです。
ラインインタラクティブUPSも出していますが、もう少し高くなるので手が出ません。
バッテリーの寿命と保証が、他社の同価格帯製品より1年長いのが特徴です。
UPSは、バッテリー能力=保障の長さと思って良いでしょう。
低価格でありながら、良いバッテリーを使っているようです。
オムロンも、「無償保証期間延長サービス」というのがあります。
お高いので、通常で3年保証が付いてくるので、要らないと思います。
日本メーカーなので、説明書が解りやすく、アフターサービスが充実しているのも魅力です。
ユタカ電機製作所
日本のメーカーで最近少し人気があるのが、ユタカ製作所です。
UPSmini500SW YEUP-051MASW
300W(500VA)で、1.2万円と非常にリーズナブルです。
保証期間:3年
バッテリ寿命:期待寿命7年
運転方式:常時商用給電方式
出力波形:正弦波
UPSmini800SW YEUP-081MASW
500W(800VA)で、1.4万円と非常にリーズナブルです。
保証期間:3年
バッテリ寿命:期待寿命5年
運転方式:常時商用給電方式
出力波形:正弦波
ユタカのUPSは、安くて正弦波でバッテリーが長寿命とのカタログスペックなので、お買い得な気がします。
「期待寿命」という表記の通り、購入した方のレビューを見ると7年は持たないようです。
寿命は、バッテリーが設置される環境に依存するので何とも言えませんが、バッテリーの寿命に関しては、話が違うという意見を見かけます。
多くの方が、4〜5年は問題無く使用出来ているようなので、コスパ重視ならアリだと思います。
CyberPower
Backup CR 500 CPJ500
300W(500VA)で、1.5万円なのでユタカよりコスパが良くありません。
保証期間:3年
バッテリ寿命:5年(25度期待値)
出力波形:正弦波
Backup CR 750 CP750SWLT JP
525W(750VA)で、2万円です。
保証期間:3年
バッテリ寿命:6年(25度期待値)
出力波形:正弦波
CyberPowerはホームページは、怪しい感じです。
ホームページの会社情報に、資本金とか事業規模が知れる情報が全くありません。
申し訳ないですが、もう少しHPを何とかされた方が良いと思います。
製品に問題はないのかも知れませんが、少し不安になります。
株式会社サイバーパワージャパンの住所もGoogleマップで確認しましたが、余計不安になりました。
レビューが少ないので、情報が余りありません。
使い勝手や長期間使用した感想などが、非常に少ないです。
そもそもアマゾンなどで売っていない場合もあります。
その他
イートン、ジーエスユアサ、富士通は、容量が多い製品が多く価格が高めです。
富士電機も高級ですね。
パワーコムジャパンは、矩形波だけです。
サンワサプライの正弦波製品もお高いです。
価格的にちょっと厳しいので、これらのメーカーは今回は選択から外しました。
予算オーバーです
多くのUPSを見てきましたが、APCとオムロンの2強になってしまうのが良く解ります。
機種が段階的に用意されており、選択肢が多い事。
個人でも購入しやすい価格、機能もそこそこという事で選択しやすいです。
小規模オフィスや個人で使用するのに丁度良いラインナップが用意されています。
500Wクラスは、3万円前後します。
私は仕事で画像を扱うので、パソコンにそこそこのビデオカードを積んでいます。
電力を考えると、500Wが欲しいのですが、財政的な理由で2万円以上は出ません。
お金が無いんです(泣)
出来れば1.5万くらいで何とかしたいところです。
パソコンをフルパワーで使う事は、滅多にないので少しワット数を下げて、予算内で購入できるものにしようと思います。
1.5万の300Wクラスで、繋ぐ機器を絞ろうと思います。
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