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2016年03月23日

エアコンの仕組みと真空引きについて(エアコン2)

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エアコンの取り付け問題の前に、エアコンの仕組みを思いっきり簡単に説明します。

エアコンの中には冷媒が入っています。
冷媒を介して熱のやり取りをする事で暖房冷房を可能にしています。


室外機で冷媒をでっかいプロペラで冷やして室内機に送ります。
             ↓
室内機に送られた冷媒は、周りの熱を奪います。
             ↓
冷媒に熱を奪われた空気を、室内機が吹き出し口から吐き出します。
             ↓
熱をもった冷媒は、室外機に戻って冷やされ、また室内機へ送り込まれます。
以後、繰り返しです。


本当は冷媒が気化したり液化したりを繰り返してるとか、コンプレッサーで圧力をかけたり、圧力が抜けたりなんて工程もあるのですが、親切に図解されているページがいっぱいあるので、詳しく知りたい方は探してください。

この説明で知って欲しいのは、エアコンが室外機と室内機の間で冷媒を循環させている事。
冷媒が熱を奪ったり放出したりして、冷暖房を可能にしているという事。
エアコンにとって、とても大事なものが冷媒なんですよって事です。

人間に例えると、冷媒は全身を回っている血液と同じです。
血液が少ないと貧血になるように、冷媒が少ないとエアコンも動きが悪くなったり、動けなくなったりします。
下の方に、この血液を抜く悪魔が出てきます。


真空引きは、やって当たり前


冷媒はエアコンの室内機に入っている訳では無く、室外機に封入されてメーカーから出荷されます。
エアコン工事業者は、室外機に入っている冷媒を室内機と循環させるために配管で繋ぎます。

配管で繋いだ後で空気を抜かないと、配管内に空気が冷媒と混ざってしまい不味い事が起きます。

冷媒は高温になったり低温になったりするものです。
低温時、配管内で空気中の水分が凍りついてしまうと配管を詰まらせます。
カビやサビも発生するでしょう。
圧縮機(コンプレッサー)に水分が入ると正常に圧がかけられず不具合が起こります。


こういった不具合は「真空引き」と呼ばれる作業で防げます。

昔は冷媒としてフロンガスを使用していました。
フロンガスがオゾン層を破壊すると解ってから世界的に規制が掛かりました。
フロンガスに変わる代替冷媒として2種混合、3種混合という幾つかの冷媒を混ぜたガスを使うようになりました。
R22、R32、R410Aなど、説明書の表紙に書いてあるのを観た事がある方も多いと思います。

混合ガス冷媒は、混合率がシビアに設定されています。
この混合率が少しでも狂うと本来の性能が発揮できません。
そこで、封入してある冷媒を少しも漏らさず、配管内に余計なものを紛れ込ませないようにする為の方法が真空引きというやり方です。


室内機と室外機の配管を繋いだ後、室外機に封入されている冷媒を出す前に、配管内の空気を完全に抜き真空にします。
配管内を真空にする事により、空気や湿気などの余計なものを冷媒配管内に混入さぜずに済みます。

また、真空にした状態で少し時間を置けば空気中の水分が蒸発するので配管内への水分混入も防げます。
これを真空乾燥と云います。

通常のエアコン取りつけ工事では、配管内を真空にするため電動ポンプを利用します。
完璧にやろうとすると、気象条件にもよりますが1時間くらいは掛かるようです。
最近のパワーがあるポンプならもっと短時間で済むらしいですが、ポンプ能力は価格次第なので私達一般人が見ても解らないと思います。

工事業者は、天候や気温などの経験則で何分作動させるか決めているようです。
恐らく10分くらいで一旦ポンプを切ると思います。
10分程度やれば、ほぼ抜けている事が多いらしいのですが、大事なのはポンプの吸引時間ではありません。

大事なのは、吸引後に真空計やゲージマニホールドという測定機器を使って、配管内の真空度を正確にチェックすることです。
真空状態になっていなければ解るので、追加でポンプを作動させるでしょう。
何分ポンプをやったから大丈夫というものでは無い事を理解して工事を見ましょう。

電動ポンプでしっかり真空引きが出来ている状態が、エアコンの能力を引き出すための最低条件です。
エアコンの性能とか機能は、確実な工事が出来てからの話です。


真空引きとは違うやりかたが、もう1つあるようです。
配管内の空気を窒素ガスと入れ替えて、エア漏れの検査をしてから冷媒を開けるやり方だそうです。

空気が入らないのでこちらの方法でも大丈夫と聞きますが、窒素を使う業者を私は見た事がありません。
たまたま、私が知らないだけかもしれません。
車のタイヤに窒素ガス入れてエア抜けしづらくするのは、良く効きますけどね。

エアパージ


エアパージをそのまま日本語で言うと、空気抜きです。

空気を抜くのに電動ポンプを持ってきてくれれば良いのですが、電動ポンプでの真空引きは時間が掛かります。
量販店の下請けは、繁忙期になると1日5件〜10件工事します。
多いところは、1日15件請け負うとか。

逆に手を抜きたくないから請負件数は、1日何件までと決めているという工事業者に当たった事があります。
その方の工事は丁寧でしたし、工事中いろいろな話ができるくらい余裕をもった作業時間でした。

仮に、1件の工事に1時間かかると8時間労働で8件しか出来ません。
多く請け負う工事業者が10分を惜しむのも理解できます。
移動時間もあるので、1日10件がどれだけ無謀な数かが解ると思います。

件数が多いと工事業者は、いかに短時間で済ませるかを考えるようになります。
作業時間は仕方ないにしても、真空引きをしている時間や真空乾燥している時間というのは要領が悪い業者ほど、ただ待つだけの時間になるので勿体ない時間と考えるようです。


実は、素早く空気を抜く方法があります


空気さえ抜ければ良いと考える業者は、室外機に封入してある冷媒を使用して空気を抜きます。

冷媒の栓を抜いてやると気化した冷媒のガスが配管内に押し出されます。
この勢いを使って空気を押し出すのです。
高圧のガスが逃げる道を解放して配管内の空気を抜く訳ですから、1秒もかからず排出できます。

ガスパージとかエアパージと言うと、このやり方を指す事が多いようです。

この方法の問題点は、空気を押し出す際に冷媒であるガスも一緒に抜ける点です。
出口を解放する訳ですから、空気だけを押し出せるはずもなく冷媒ガスも幾らかは噴出します。
どのくらい出るかは、職人がエアーの出口ネジを締めるタイミング次第というアナログさです。

水道にホーズを繋ぎ蛇口をひねると、ホース内の空気を押し出してホースの先から水が出ますが、全く同じやり方です。
空気だけをホース内から追い出して水を一滴も出さないなんて無理ですよね。


最近の室外機に封入されている冷媒は、高価なので必要量ギリギリしか入っていません。
ギリギリなのに空気抜き作業で噴出させてしまうと、ガスは減ってエアコンの効きが悪くなります。

2種混合や3種混合のガスの中には、比重が違ったりして抜けやすいガスと、そうでないガスが混合されている場合があります。
そういうガスを一瞬でも放出させると2種のうちの1種だけが放出され、厳密に測られて封入されている混合割合が変化します。
割合の変化した冷媒は、本来の性能が出せなくなります。


本物の悪魔と善意の悪魔


やってはいけない事を解っていて時間を短縮する為にやっている業者も居ます。
そういう業者は、電動ポンプを持ってきません。
業務用の電動ポンプは高いので、持っていない業者も居るそうです。

とある店では、真空引きをやらなくて良いと指示しているという噂も・・・。
壊れないと売れませんからねぇ。

解っていて電動ポンプを使わない業者も酷いですが、そもそも、このエアパージ方法で問題無いと思っている昔ながらの職人さんも居るようです。

フロンガス冷媒の時代は、ガス自体それほど高価では無かったので、多少余裕をもった量が室外機に封入されていました。
ガスは数年使用していると多少は抜けるので、少しくらいガス抜けしても能力が落ちないようメーカーも多めに入れていたそうです。

昔の知識と経験のまま思考停止している方は、ガスが変更されてからも同じやり方で大丈夫と信じているようです。
どの業界でも自分のやり方が曲げられない偏屈さんが居ますからね・・・

何十年とやってきたベテランの方は、取りつけ工事説明書など読まないので昔ながらのやり方で工事してしまうそうです。
そういう師匠に付いている新人も、それが正しいと洗脳されてしまうので厄介ですね〜とこぼしていました。

これらの内容は、何人かの取りつけ業者の方から直接聞いた話です。


取り付け工事説明書は、工事をしない一般の客が見るものではないので普通は見せません。
要求が無い限り、客に渡すことも無いでしょう。

工事手順をああだこうだ言われると面倒だから、客に見せないようにしている業者も居るのだとか。
私も見た事が無かったので、工事説明書なんてものが存在している事自体知りませんでした。



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posted by ユージュー at 19:52 | Comment(0) | 家電 エアコン
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